第38話 悲しみ
棄民ということのスティグマがながらく
私の心を暗くしていたのかもしれないと
思うようになった
忘れろと母は言ったが
その意味が分かるには
若すぎたのだ
神に祈るしかない人が
世の中にはいる
例えば母に捨てられて
祖母にも捨てられた子供が
屋根裏から上級生が襲ってこないように
祈ったというが
祈って何になるんだろう
システムの問題じゃあないのかい
人間の問題じゃあ
ないのかいそれって
物語が間違っているのなら
書き換えたらいいじゃないか
それが許されないというならば
そんなの要らないって
燃やしちまったらいい
優しさは好きだ
なぜって
悲しみを一瞬
忘れさせてくれるから
だけど
ずっとは忘れさせてくれない
現実も
変えはしない
そんな事よりも
心に一つの
燃え尽きるまで
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