第14話 朧月夜と熱帯夜

かの国の少年の視線は燃えるようだった

その熱視線に燃やされた心臓

涙で堪える空の彼方

情欲などど誤魔化す純情

あまりにも真っ直ぐに射抜く

逃げ切れず背中に突き刺さる

女の心は生まれた時から一人を見ない

四方八方微笑みかける花はちっとも美しくはないのに

まるで悲劇のように語られる

咲く時期は短いゆえに

かの国の少年の視線は美しかった

その熱視線は心を捕らえる

私は何で答えよう

持ち合わせるものが何も無い今

かつて見た光を閉じ込めて

転がしておこうか

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