第41話 七月の雨

友達だった人に言われたよ

裏切者、って

だけど僕にだって言いたい事が

あるんだよ


それは

君には分からない事かもしれないけど


君が僕にくれたものは全部

忘れてはいないけど


できるなら僕が向こうを向いてる間に

そっと置いてくれたら良かった


虫のいい話だと

思うけど


ああ

恩が義理がしがらみが

追いかけてくる眠っていても


夢に君が現れて僕の

腕をしっかりつかんでいるよ


それを

振り解いて


闇に紛れて

裸足で駆け出す


着の身着のまま心赴くまま

飛び出した


愛情という鎖が見えない君と

僕とのあいだに川を作って


一年に一度かかる橋の

向こうとこちらで


さようなら

さようなら

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