3

ドン


ドス


ドン


ドス





振動が起きるくらいの足音と凄い勢いで走って来た。


キキィィ


と聞こえそうな急ブレーキで絢斗の前で止まった。



と同時に...。










「ブオッフォ!?ゴッフォゴッホ。」


「フォッホ!?ワッフワッフ!」





勢い良く止まった反動で土を巻き上げそれが絢斗とウルに顔面ヒット...。






「...。なんなんだいったい...。」







「あのぉ...。私を龍の国に転移させてくれませんか?

道に迷ってここまで来たのですが、あなたのような心の綺麗な人間は初めて見ました。

あなたなら手伝ってくれると思いまして。


よろしくお願いします。」



どうやら元々ここにいる龍ではなく、迷い込んだだけらしい。

心根シンが綺麗でもいたずら好きで、そこそこに腹黒ではあると思うのだけれど。

きっと神のオプションだな。



「別に構わないが、行ったこと無いから不安なんだけど、座標言われればなんとかなるとは思うがな。


で?どうする?やってみるか?」



転移は行ったことがなければ、転移しようがない。


一応技術があれば座標だけで移動もできるが、創造能力は授かったが技術は自らでどうにかするようにという事だし。


元々絢斗は運動神経も頭脳も筋も良く、頑張り屋で努力家だ。


まあ残念な事に欠点と言ったらめちゃくちゃオタクで腐男子という事だが...。











と、いう事で転移の使い方を本でパラパラっと調べ、ふむふむこうやるのか。


と習得は早かった。




「座標はこれで良いんだな。よし。

やるぞ。お元気で。」




そう言った途端目の前の龍が一瞬で消えていた。

どうやら成功したようだ。


特に変わったことも、大事もなさそうだ。



「とりあえず。一件落着だな。

これからどうするか?」



「俺の背中に乗って森を散歩してから、ギルド登録」



ウルは興味がなさそうに淡々とクールに言う。

これは、何に興味を示さなかったのか...。

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