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「ハァー。

さてこんな娘と勇者でこの国はどうなる事やら。


俺の娘は一体何がしたいのやら...。」



そう言いユリウスはため息ついてうなだれていた。

机に突っ伏し、先程の威厳のある王の顔ではなく疲れた表情だった。


そして親の顔でもある。

娘を思ってはいるのだろう。

いくら娘がなんと言おうと、親である事には変わりない。

それでも執務に追われる王は、妻が亡くなり娘に愛情を注ぐ人がいない事を思っているが、行動に出れなかった事を悔やんでいるのかもしれない。







「ユリウス様...。

お身体の調子が悪いのならばお休みになられたほうが...。」



ため息が聞こえた瞬間にユリウスをパッと見たのは、灰色に少し青みがかった髪と瞳をしている男だった。男前な黒い騎士の軍服を着ているそこそこ長身な男だ。

そして心配そうな顔をしている。




「ん?

ああ。

ウェンリー大丈夫だ。

......。


あの子が小さい頃に私の妻は死んで俺はあの子の事がよく分からないんだ。


俺は父親として間違いを犯したのだろうか...。


.......。


ハァ、考えても仕方ないか。仕事仕事。


心配してくれてありがとう。」



そう言いさっきの表情が嘘のように爽やかに微笑んだ。

灰色に青みがかった髪と瞳の黒い騎士の軍服を着ている彼はどうやらウェンリーという名らしい。

具合悪くなったら休んでくださいねと言いたげな表情を返した。



そしてユリウスはその表情を見てフッと笑みをこぼしもう一度ありがとうとお礼をいい、仕事をし始めたため静かな部屋にペンが紙の上を走る音だけとなった。

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