5

それを見てペット否、生き物の扱いが相変わらず雑だとニコラスは思い呆れてため息をついた。


そしてニコラスの前に持ってきてニコラスはその瞬間内心ビクッとし見た目はさっき通り立っているだけだが警戒するようにウルを眺めた。



「お前何者だ。

聞くだけでは無礼か。

俺はこのギルドのマスター

ニコラス・グレイ」



ニコラスが警戒し低い声で言った。

それに対し受付は臆することなくウルをさっきと同様の持ち方のままにこやかな笑顔で眺めていた。



「俺が何者か?

答えてやってもいいがその殺気を収めてくれないか。

疲れる。」



ウルが若干棒読みだったためニコラスも気が抜け殺気を収めた。



「面倒くさいから話そうか。

俺はウルフ。フェンリルではない。

フェンリルは多分誰かが使い魔として学園かどっかで呼び出すだろう。


俺とケントがちょうど出会ったところがウルの木だらけだったからウルとついた。

よろしくたのむ。」



ウルが話している間に受付は受付とニコラスの間にある受付台の上にウルを置いて受付がウルを撫で回していた。


ニコラスはウルの話を聞いてケント?ああ。受付が言っていたマスター部屋に置いてきた男かと思い頷いた。



「一応俺はケントともう一人大人を乗せるくらいには大きな体をしているが部屋に入るから小さくなっている。」



受付もニコラスもそれを聞き ああ、そうか。と頷いた。


ニコラスとウルの話の決着がついたと見て受付が言葉を発した。



「我が同士よ。

ウル君はニコラス×ケント...

ありだと思うか?


きっとマスターはケント君に一目惚れするぞ。

きっと今頃ケント君は寝ているだろうが、ケント君が起きたらマスターは速攻告白するだろう。


我は予言する。」



「同士...か。

ニコラスはいいやつそうだし許そう。


俺もニコラス×ケント応援しよう。」



にやにやしている二人は不気味だった。

そんな一人と一匹が目に入ったギルドにいた者は、さっと目をそらしギルドにいる目的をいつもの倍の速度でテキパキとこなし、ささっと帰っていく異様な光景が広がっていた。



そんな光景に気づいていないのか興味がないのか、受付とウルは手を握り合い仲間オーラを漂わせていた。


その頃ニコラスはそんな二人の会話を聞く価値なしと無視し自分の部屋に向かっていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る