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ケントが眠りについて二時間ぐらいがたった。



その瞬間このビルの一階にある受付の所が集中的に魔力が上がる。




ケントはそれでも目が覚めなかった。

相当疲れていたのだろうか、それともお昼の後の授業で眠気が襲ってくる時間帯くらいは眠くなるものなのだろうか。



高い魔力は次第にこの建物に馴染んでいき、一気に一階に充満していた魔力はあまり気にならなくなった頃。

一階では受付と話している男がいた。



受付の眼の前に立っている男は灰色の髪と灰色の眼をした整った顔の男だった。


要はこいつも男前だ。





「マスターおかえりなさい。

マスターがいない時に二人の男の子がギルド登録をしていきましたよ。

あとは特に報告することはありません。


あ。そうそう。

一人は勇者?だとか。

もう一人はマスター好みの格好良い子だったのでマスターの部屋に置いておいたから、魔力測定と魔属性測定やってあげてください。

それやれば後は登録するだけなので。」



「俺の部屋に連れていった挙げ句置いてきたのか。

何時間一人で待たせたわけだ?」



マスターはどうやら怠け者でも面倒くさがりでもないようだ。


少し怒りながら聞くと受付はニコッと笑い。



「マスター×ケント最高だわ。

あ。これだとややこしいわね。

ニコラス×ケント最高だわ。


マスター頑張れ!

私の萌のために。」



受付がマスターと呼んでいる男はニコラスという名前らしい。

自分の上司にも関わらず総無視しどんどん話を自分のしたいように進めていく。



「あ。そうだわ。ケント君のペットがいたわ。

マスターちょっと待ってて。」



そう言い最初にウルを置きに行った部屋に向かっていって、数分で戻ってきた。

受付はウルの前足の下のお腹あたりを両手で包み込むように掴みぶらーんと後ろ足がなっていた。

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