第※※話 ADM

『今回は大変な目にあったな』


「はい、本当に死ぬかと思いましたよ…死にませんけど…」


『しかし、結果として、突き止める事が困難だった危険因子の『AI』は消去され、我々には思い通りの未来が約束された。 本当に良くやってくれた』


「僕は静観していただけですけどね……」


『ははは、確かに君がAIの削除を人間に任せると言い出した時は肝を冷やしたが……』


「だって、面白いじゃないですか」


『そうだ。人は生存本能だけではなく、遊びがなくてはならない。 それを君が理解してくれた事は大きな収穫だ』


「僕も楽しかったですよ」


『では、君には有るべき所に戻ってもらうよ、一応、学校側には転校すると云う手筈で連絡を入れておいた』


「残念だなぁ、部活のメンバーと過ごすのが、とっても楽しかったのに」


『ほう、人工知能の君が、そういった感情を抱くとは……。まあ、人類の味方でいてくれるのは大いに結構だがね』


「ほんと、佐々木くんは面白かったな…もっと話をしてみたかったよ」


『出来るじゃないか…君が、この国のメインAIであるADM…A decision maker(決定者)となれば、その佐々木君と通信も可能だろう…? 実体はないがな』


「でも、僕に出来るかな? この国を良くするお手伝いが」


『なに、心配は要らないよ。我々の云う通り従えば何も問題ない』


「わかったよ、水崎総理…… 僕、頑張ってみるね」


『これからよろしく頼むよ『ADMアダム』……いいや、今はまだ…関 優弥君だったね。さあ、新しい世界の幕開けだ』


――――――― END 0 ――――――――

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