概要
バトル・オブ・ブリテン。手紙が運ぶ少女とパイロットの心。
1940年。南イングランドはドイツ空軍の攻撃の渦に巻き込まれる。そこで繰り広げられる若者たちの死闘と、それを見上げる一人の少女の小さな交流の物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!憎しみは空に、悲しみは地上に。
第一話で感じたとおりの素晴らしい作品でした。
地の文に癖がなく読みやすかったです。
空戦の連続なのですが、戦況の進行・変化に物語が連動しているので飽きが来ません。
テーマといっていいのでしょうか。埋葬のシーンを繰り返すことで「死者→土」というイメージが強調してあるように感じました。
飛行機同士で戦う空の上では、ともすれば人の命や死は不確かで希薄なものになってしまう。それをアリスの存在、あるいは彼女と4人の間に交わされる手紙が地につなぎとめている。それによって命と死についての濃厚で詩的な議論が成り立つ。アリスの物語上の役割はやはりそこにあるのかなと思います。
僕はリチャード・ハ…続きを読む