歴史物語を、「カク」!
漢文や歴史で遊ぶこと
今回のエッセイ、ここからが本番だ、と書きました。なので、まず動機について語ります。なぜ、このエッセイを書き始めたのか。
https://kakuyomu.jp/users/takeo_kawahigashi/news/1177354054886461683
河東竹緒さんがこの近況ノートでご紹介くださいました、「漢文訓読の意義について」というトゥギャッターのまとめ https://togetter.com/li/1067867 を読みました。
予備校で漢文の点をとるための方法論を語っておられる予備校講師氏に対して、漢文読みをガチでなさってこられてる方が総ツッコミ、という代物です。で、諸氏の否定見解の提示のしかたについて、いやそれどうなのよ、と思いました。なので、そこに対する考えを表明したくなったんです。
俺自身、漢文で遊んでる身です。そしてその遊び方は、ぶっちゃけ大学受験レベルなんか遥か雲の上。だってヘラヘラ「たーのしー!」って言ってるだけですしね。
前述の趣向深度スペクトラムで言えば、俺なんてIIですよ、II。IIIにまで行けるようには取り組んでますけどね。対して上掲まとめで声を上げておられる方々の深度レベルは、それこそIVとかVの方であると感じてます。その「漢文に取り組む姿勢については」ただただ仰ぎ見るばかりでありました。
が、かのお歴々、0からI、あるいはマイナスから0に行こうって人のトレーニングに携わる方に対して、「そんなんでIIIとかIVが育成できると思ってんのかぉオン!?」って凄まれてるように見えるんですよ。
そりゃ育つわけないですよ、だって講師氏が相手する生徒たちって、繰り返しますがまだ0とかマイナスですし。そういう人たち相手にしなきゃいけないんなら、SVOCなんて言う、すでに受験で散々使われてる用語借りてきた方がまだハードル下がるってもんでしょう。
趣向深度スペクトラムは、その深度に応じてアプローチを変えなければ行けません。けれども、歴史をガチで語る方、漢文をガチで語る方は、どのターゲットに対してもIII以上の振る舞いを要求される傾向があるように思います。
同等から上層相手ならそれは大いに結構、むしろVの更にその向こうの地平を、II以下にも見せて貰いたいですし、ガンガンと研究をぶつけ合い、探求して欲しいです。
っが、II以下に向けて接するとき、おんなじような接し方したら、よっぽどの天才でなきゃ折れて撤退しちゃいませんかね?
便利なのでちょくちょく引き合いに出す例があります。格闘ゲーム界の衰退の話。
http://sp.ch.nicovideo.jp/dag/blomaga/ar1467221
ここでもIやIIがIII以上の世界を突きつけられ、折れている様子が描かれています。「対戦台にコインを投入した初心者が中上級者にボコされていやになった」なんてのはよく聞く話ですが、そこで聞く反論は「そこで折れるような奴だから上にいけないんだよ」。いやいやいやいやw もちろん、上にいきたいって気持ちは大切ですけどね。
格闘ゲーム界は、まだベンダが生きてるから改善の余地はあると思います。それに俺が知らないだけで、もう改善の動きが出てるのかもしれません。けど歴史界、漢文界って基本的にユーザしかいないんですよね。磧学と呼ばれる大学者はいますけど、その方の論だって相対化されねばならない。つまり、ユーザ間相互の働きかけしか、拡大に寄与できるものがない。
新規さんがとにかく先細りになってる今の歴史界、漢文界について思うのは、もっと気軽に「あれっ、もしかして楽しいんじゃねこれ?」って感じられるようなものを作り上げることじゃないの、と思ってます。
そして、「崔浩先生の五胡十六国講座」および「デイリー世説新語」は、ともに歴史界、漢文界における深度0の方を深度Iに、あわよくば深度IIに押し上げられるようなものってなんだろう、という自分なりの提案です。
だから、ともに平然と学術的には噴飯ものな振る舞いしてます。だってそんなもんより面白さの方が大切ですもん。まずは、ね。
楽しいだけじゃないのがIII以上です。だけど、まずは楽しんでもらいましょうよ。それがなきゃ気軽に触れてくれるわけないじゃないですか。0どころかあっという間にマイナスですよ。
ですから求道的な皆様におかれては、初心者、および初心者に向けての工夫を考える人たちの芽を潰さないよう、友好的無関心を貫いていただければ、と思います。
初心者のためのトレーニング方法が不適切であるというのであれば、そこは指摘されるべきだと思います。とはいえ初心者向けのトレーニングの話してるところに中級者以上に求めるべき内容を持ってくる方の見解は、ちょっと初心者向け意見の妥当性としては弱いかな。そういった方々には、無理せず中級者以上をビシバシ叩き上げてくださると、斯界の深化に寄与できるのではないでしょうか。そこはきっと、役割分担が重要なんだと思います。
そんなことを、「漢文訓読の意義について」というまとめを見るにつけ、思うのでした。
※
あ、ちなみに歴史界隈で、自説に「これが歴史の真実!」みたいに言い出しちゃうひとは、言ってみればIVとかVに喧嘩売ってますし、叩かれても仕方ないと思ってます。「こうだったら面白いのにねー。どう?」みたいな感じなら笑ってもらえると思うんですけど、まぁ…「真実!」って思っちゃってるなら、どうしようもないのかな。
ひとまず、俺はおもしろけりゃ勝ち派なので、珍説だろうがおもしろさ優先で紹介してます。
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