俺氏カクヨム活動三周年おめ!
俺氏カクヨム活動三周年おめ!
……だーめだ。このテーマでお話は、まーるで書ける気がしない。なのでおとなしくエッセーにします。カクヨム三周年ってことなら、合わせて自分のカクヨム生活も三周年ですし。この三年間に感じたこととか、そのへんを。
カクヨム以前で、最後に書いた小説が2005年でしたかね。そっからしばらく書けなくなって、けど久しぶりに書いてみたら、やっぱり楽しかった。そこにカクヨムのオープン。ぶっちゃけ、なろうはごちゃごちゃしてて苦手でした。対してカクヨム、非常にシンプル。なので、ちょっと遊んでみよう、と思いました。
ちなみに書けなくなった理由はよくあるやつです。作品に対する理想と現実のギャップ。特に長いやつを書こうと思っても挫折し続けてきた、ってのは大きかった。なのでひとまず断筆前のやつ出してお茶濁ししつつ、しばらくカクヨムをふらふらしました。やがて、こんな言葉を聞き。
一話あたり二千五百話くらいが読まれやすいし、更新しやすいよ。
ほう! それは朗報。そういう短いスパンのものなら行けるかもです。
そこで、断筆前から塩漬けにしてた二作のうち、片方を再起動しました。それが劉裕です。一話があんまり長くなりすぎないようにし、とにかく続きをかける体制を重視する。このあたりには自分の性質、いわゆる ADHD であること、との付き合い方を考える上でも重要でした。「公開する」というエサを、自分にこまめに与える。この形式は奏功し、現在劉裕は、ひと続きの物語として、自己新を更新し続けてきてくれています。まあ今止まってるけどね。その話は後ほど。
さて、劉裕を更新するにあたり、気付きました。びっくりするくらいに勉強不足。語ろうにも、全然語れません。そこで「公開する」という餌を自分に与えながら、勉強をするようにしました。「崔浩先生」シリーズにせよ、デイリー二種にせよ、そういうモチベーションで公開しています。その際に読んでいただける方にも楽しんでいただけるような配慮について勉強、練習もしてきたし、その辺もまぁ、カクヨム参加以前よりマシにはなっているんでしょう。
そういうモチベーションの運営ですから、いくらデイリー世説新語のほうがでかくなろうとも、劉裕がメインであることは変わりません。ただここ三年の活動を経て、更新したい、というモチベーションの内容が変質してきている。
「読んでいただけた方に」より届けやすい形式って、何だろう。
ただでさえ歴史小説は読まれません。しかもそれが誰も興味ない時代の人物であれば、なおさら。ならば、そこはそういうもんである。元々、その辺についてはいくらでも開き直れてはいました。だから表示形式なんて、自分の好きな方法で良くね? みたいな感じでいたのです。嫌いだったしね、安易な改行も、行空けも。
けど、そんな俺を、容赦なくぶん殴ってこられる方がいた。
氷月あやさんの襄陽守城シリーズ。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884171637
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884546369
佳穂一二三さんの婦好戦記。
(なろう)https://ncode.syosetu.com/n3647en/
(MAGNET!)https://www.magnet-novels.com/novels/50671
作品の内容そのものでぶん殴られた方を上げれば限りなくなるんですが、このお二方は、そこに加えて「文章」「表現」で自分をこてんぱんに打ちのめしました。歴史の小説だからと、これまで紙の本で読んできたような体裁の表現を貫いて、ただでさえ敬遠されがちな歴史のお話を、さらに敬遠させるのか? そんなアホな話があるかよ、と思ったのです。
ボキャブラリーの選定によってうまれる平易さ、しかもそれでわかりづらいということもなく。これを漢文訓読と合わせて表示なされた氷月あやさんからの影響がどれだけでかいかは、その後デイリー世説新語で「スマホ表示時の読みづらさをどれだけ排除できるか」みたいなのを追求するようになったことからも染み出ています。
もうお一方、佳穂一二三さんはね……いや、やばいでしょ、あの読みやすさ。その気になればいくらでもムツカチク書ける方なのは間違いないんですが、そのスキルをまるまる「読みやすさ」に振り込んでおられる。歴史系で、コミカル系でもないお話で、ここまで徹底されていて、なおかつその雰囲気も保っておられる。ヤバい。もちろんマイナー中国史人物を取り上げていらっしゃる同志、的な感情もあるんですが、そこを割り引いても、その「わかりやすさ」は突き抜けていらっしゃるよう思います。
それぞれの作者様方がお持ちになっている物語のテイストもあるし、完全に真似をしたところで仕方ない。けど、やっぱり「劉裕」にももっとやりようがあるんじゃないか。そのへんを感じるようになり、いま、劉裕は止まっています。
ここでの三年間で、サイトに作品を公開する、という形式についての思考はそれなりに深まってきました。その結果、今のままだとだめなんじゃないかな、というふうに感じ始めた。劉裕が止まるのなんて日常茶飯事ですが(威張れない)、この三年間の中で、いまが一番でかい転機なのかな、って感じています。
それはいろんな作品に出会ったからであり、いろんな作品を公開してきたからでもある。
ここを、どう活かせるんだろうか。いまカクヨム三周年イベントで遊ばせていただくにあたり、五胡十六国縛り、けど内容はできるだけ振り幅でかく、を心がけています。そうやって挑戦しながら遊んでみることで、溜まってきたもやもやに、なにか答えが見つかるのかな、と思っています。見つからなくてもまぁいいんですけど。なるようになる。書けばいい。
書きながら散々に迷う人間なのは変わりません。おそらく、ずっとこのままでしょう。けれど、間違いなく書き続けはする。作り続けもします。その時、どう読んでくださる方と向かい合えるか。
より多くの方に読まれたいという願望、もちろんあります。けど、それのために何かをするには、自分の中にある「この物語を書きたい!」欲望が強すぎる。ならせめて、書きたいことを、少しでも読んでくださる方にとってわかりやすい形にはしたい。そんなふうには思っています。じゃあ、そのために何ができるんだろうね。
ここまでの三年で、「どんなものを描き出したいか」がようやく見えてきた気がします。なのでここからは、それをどう実現できるか実践していくターンになるのでしょう。
周りを見渡すとすげえ方がたくさんいらっしゃって、自分の無能にがっくり来てばかりです。けど、自分を引っ張り上げられるのは、自分しかいない。
次の一歩を楽しみに、進んでいきたいもんです。
余談:一番影響どでかいのは言うまでもなく河東竹緒さんなのだけれど、それは「やったれやったれー! 歴史でぶち決めたるのじゃワハハハー!」みたいな部分なので、表現的な部分ではどうしても上述おふた方に譲ってしまうのですよねぇ……ただ、時々みっちりとしたもの書いてゲラゲラ笑ってることから察していただけるかと思いますが、本来ああいうガッツリ分厚い段落ぶち決めるのも大好きなのであります。
あと、歴史小説というジャンルにおいても多様性が重要。そのときに
通俗続三國志シリーズや、
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884106768
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884740663
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887842567
秦の誓い
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154884260
のような、重厚さズドンな作品の存在感は文鎮として、このジャンルに確かな軸足をもたらしてくれます。ただし、そこに気軽さはない。気軽さがないという事は、おいそれとその作品に対してリアクションが取れない、という事です。こう言う作品にも活発にリアクションが飛ぶような世界こそを望みたいですが、まぁ、正直難しいですよねー。
なので、まずは気軽な入り口から慣れ親しんで、そういったどっしりしたものも楽しめるようになる。そういうのが理想なんじゃないかなーって思ってます。だからこそ俺は、軽いものからどっしりしたものまで、幅広く取り揃えておきたいよなーと思うのです。
余談2:おお、俺ちゃんと開始した当初の近況ノート消さずに取ってあった。凄いぞ俺。偉いぞ俺。それによると三月二十一日スタートだったとのことですので、普通に三周年突破してました。おめでとう俺。ところで「戦場のガイズクリスマス」って作品どこに置いてあるんでしょうかねええええええええ?
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