「カク」を、あなたの手に。
あなたの「カク」は、あなたのもの。
このエッセイのラストですが、要はここまでのまとめです。テーマは「あなたに五胡十六国の物語を書いてもらうためには、どんなことができるのかな?」。
これについては、俺の作品公開のしかたがまさしくその提案です、と申し上げましょう。
あなたがどのようにカクヨムとお付き合いするか、それはすべてあなたに委ねられています。そこに俺が介入することはできません。けれども俺はあなたにカクヨムで五胡十六国作品を公開してもらいたいです。そしたら「五胡十六国時代は怖くないよ! 面白いよ!」をいかにアピールできるかが重要になってくる。
その起点が「崔浩先生の「五胡十六国」講座」です。
これ自体が「五胡十六国」への趣向深度0の方をI~IIに誘導したい、という意図をもって組み立ててあります。第一席序言で、まずは知識ゼロの方に1になって頂き、ここで興味を持って頂けた方に向けて第一部、第二部を。そして第二席では、「他にはどんな人物がいるんだろう?」という欲求に応えられるように。そして現在書き途中の第三席。ここはIIの方に遊んでいただくための足掛かりを。
深度IIIにもなる方は、物語じゃダメでしょう。原文とか概説書、専門書、論文に向かうべきです。そしてこれは、カクヨムでやることだとは思っていません。故に、ここで俺が扱うつもりはありません。多少のガイドで終わらせています。
また五胡十六国時代に興味を持っていただいた方々に向けて、物語を用意しておきたい。そしてそいつは、様々な趣向深度の方に対応できるようにしておきたい。この辺について、別所で以下のように書きました。
↑ 祭已畢焉
○ 漢を襲う
○ 斯くして鳳凰、紫微垣より
○ 劉裕
○ ふるリベ
↓ デイリー世説新語
これは、自作の文章晦渋度グレード。
上がより面倒くさくて、下がよりライト。
敢えて言えば紫微垣と劉裕の間が
ちょっと空き過ぎかな。ただ、それ以上に
劉裕とデイリー世説新語の間が
空き過ぎだったのです。
これ、歴史物語への趣向深度の話になってくるわけです。いや、好きな人は好きじゃないですか。古めかしい、それこそ訓読文っぽい感じで書かれるお話。と言うか俺が大好き。けどみんながそうじゃないです。だから、訓読文っぽくない――と言うより、なろうカクヨム的トレンドに沿うようなスタイルで書かれたお話もあるべきでしょう。だから「ふるリベ」に挑戦しました。「歴史物語はこうであるべき」って言う理想だとか要請は、すべて邪魔です。どんな形でもいいんですよ、生まれさえするなら。
生みだしてもらうためのハードルを下げる。ここに対して、全力を尽くそうって考えてます。その試みがどれだけ成功しているかはわかんないですけど――いや、こういうのは数字で語るべきですね。いまのところ自分の目的はまるで達成できていないですから、「いま」を基準にして語れば、失敗しています。
まーそれはそれでね。いいじゃん。挑戦すりゃそりゃ失敗もします。なので気にしないで進みます。
さて、歴史ものを書くにあたって最強の敵は「歴史的な正しさ」だと思うんです。史実って本当に強敵です。これに沿わないでいると、もう歴史物語として割と落伍者的な烙印が押される気がしてしまう。けど、その烙印が存在することで、「歴史物語を書いてみたい!」って思う人たちの気持ちにブレーキがかかりかねない。
と言うか、ブレーキを掛けさせてくる奴が多すぎてうんざりしています。そんなに「やってみたい!」って気持ちの芽生えを摘み取って、何が楽しいのさ? それでいて「興味を持ってくれる人が少ない!」って言うんですよ。何のギャグなんだか。
歴史的に正しい事をないがしろにしろ、って言うつもりはないです。その歴史があったからこそ、俺は今ハマっています。けれども、「その人物/あの戦いがカッコイイ!」って思いに蓋をしてしまう。それもまた、非常にもったいない話だと思うんですよ。
だから、こう言い切ったほうがいいと思ってます。
「正しくなくたっていいじゃん! 面白さを優先しようよ!」
だって、ここは物語を楽しむ場。カクヨムだもの。
何だってそうです。まずは第一歩を踏み出すこと。人間、人生において悔いることの多くは「あれをしておけばよかった」だそうです。なら、やってみましょうよ。
で、そいつがどれだけ面白かったかを、あなたの感じたまま次につなげればいいんです。感じた素直な気持ちが「やっぱもういいや」なら、それでいいじゃないですか。別の面白いものに行きましょうよ。何かが引っ掛かるようであれば、続ければいいんです。
あなたの「面白い」を書いてください。
それが、きっと一番面白い。
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