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「で?

なんで彼と別れることになったんだよ?」

陸人の声で、現実に戻される。

「別れる?元から付き合ってなかったけど」

頬と唇に触れていた手は、今はもう離れコーヒーの入ったカップを持ち上げていた。

「でも、やる事はやったんだろ?」

少し苦かったのか、角砂糖を足しスプーンでゆっくりと混ぜる。

「してないよ」

その手がピタッと止まり、

「嘘つくなよ」

カチャンと受け皿に置かれた。

「うん、嘘。したよ。

でも、よくなかった」

「よくなかったって…相手、いくつだよ?」

「26」

「26?!10歳も下のヤツによく手ぇだしたな!」

「陸人、あんた人の事言えないじゃん」

「………」

陸人は、来るもの拒まず。去るもの追わず。

最近は30過ぎた女の人ともしてるって知ってる。

「彼女は、同級生なのにね」

今の彼女は、1年の冬から付き合いだした、他校の女の子だった。

「レナは純粋な子だからね」

そう言って嫌な笑い方をする。

「どうせ、嘘ついてもバレないからラクだって思ってるんでしょ?」

…嫌なヤツ。

「何言ってんだよ。

俺はレナを愛してる。からな」

「はいはい」

アホらし。と思いながら、目の前のミックスジュースを口に含む。

「で?このあと、来るだろ?」

俺の家。

その言葉に喉がキュッとなった。

「さっきの言葉は、なんだったの?」





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