同じクラスの大野陸人は、一言で言うと、

人たらしだ。

整った顔に身長、明るく誰にでも優しい彼は、すぐに人気者になった。

同学年だけではなく、先輩からも。

他校生までも。

そんな彼を私は…

嫌いだった。

彼と似ていることを認めたくない私は、

上辺だけだった明るく優しい部分を、やめた。

めんどくさい。

が、口癖になり、中学まで積極的だった部活や友達関係もやめた。

｢なんか、変わったね？｣

と、仲が良くなった子から言われるようになり、その子達はどんどん離れていった…

残ったのは花純だけ。

元々の私は、こんな人間だよ？

なんて、誰にいうでもない言い訳が、頭の中を駆け巡る。

｢林田、俺と付き合って｣

知らない人からの告白も、

｢むり｣

私と話したことのないのに、なぜ好きになるのだろうか…

そんな、楽しくもない日々の中でも、

なにかと巻き込まれてしまう。

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