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明るいアッシュがかった髪が、太陽にすけて風になびく。

そっと手を近づけて、ゆっくりと触れると、

するりと俺の指のあいだをすり抜けて行った。



「リンダ」

声をかけられた本人は、めんどくさそうに俺を振り返る。

「なに?」

声の主は、リンダではなく、その隣でリンダに腕を回し、さっきまで俺と一緒に捜していた花純だった。

「いや、花純には用はない」

「リンダも陸人には用はないって!」

組んだ腕にぎゅっと力をいれて俺を睨んで来る。

まるで、俺にリンダを取られたくないように。

「で?なに?」

睨み合う俺らに興味なさげに、リンダが言った。

「いや、電話したけど出なかったから」

「電話?」

ゴソゴソとスカートのポケットに手を入れ携帯を取り出し確認した。

「ホントだ…花純からも…」

で?

と、言われ、会話に困る。

花純いる前で、できる話とできない話があるからだ。

「こないだの、話。

どうなったか、最後まで聞いてやれなかっただろ?」

だから…

と言いかけたところで、

「こないだってなに?!」

花純が割って入ってきた。

「いや、えっと…」

話につまづく俺に、

「学校の帰りに子猫を見つけたんだけど、私の家じゃ飼えないから、誰かいない?っていう話だったの」

スラスラと言葉の出るリンダ。

「私、聞いてない…」

ムッと膨れる花純に、

「花純の家は無理でしょ?」

と、諭すように優しく微笑むリンダに少しゾクッとした。





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