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ふぅっと、ため息をついてソファにもたれる兄が、さらに疲れたように見える。

「大丈夫?」

コーヒーを新しく入れ直し、兄の前に置く。

「変なとこ見せちまったな」

「私のせいで、ごめんね」

横にちょこんと座る。

「もう、引き際だと思ってた頃だから、ちょうど良かったよ」

「これで私が独り占めできるね」

兄の肩に頭を預け、ゆっくりと目を閉じる。

「そんなんじゃ、お前も彼氏に振られるぞ」

見えてる。

と言って、鎖骨を指で叩く。

「彼氏じゃないよ」

この言葉に兄の体が動いた。

「そっちの方が、心配だよ!

危ない目にあってないか!?」

向かい合った兄の目が本気すぎて、

「危ない目って…大丈夫だよ」

笑って誤魔化した。

「どんなやつだ?今度連れて来いよ!」

「パパか!」

親父くさいセリフに、思わず突っ込んでしまった。

「俺は本気だからな!今度絶対連れて来い!」

「えー、めんどくさいよ」

「ダメだ!ちゃんと、仕事早く終わらせるから、金曜にでも連れておいで。

反対するわけじゃないよ。

ただ、話してみたいだけ」

…それが困るんだよな…

誰を連れていけばいいのやら…



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