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「先生、リンダ来てないですか?」

多分ここにいるだろうと保健室に入った。

「大野くん、いらっしゃい」

あんまり、こいつ好きじゃないんだよな…

嘘くさい感じがする。

「窓際のいつものベッドにいるよ。

寝てるからそっと行ってあげてね」

「ありがとうございます」

カーテンに手をかけ、ゆっくりとあけると、

安心した様に眠る輝流の手を握る、黒髪の男がベッドに突っ伏して眠っていた。

「…誰ですか?」

振り返り、机で仕事をしていた先生にといかけた。

「僕の友達で、林田さんの事を知ってるみたいだよ」

輝流を知ってる?

身体の関係を持つ奴はいつも、全く繋がりのない人物。

ましてや、30歳過ぎた相手は今までいなかったはず…

「そう、ですか」

いったい、どんな関係が??

ベッドに近づき、そっと腰掛け輝流の頬を撫でる。

「んん」

くすぐったそうに顔をしかめた。

繋がれた手にぐっと力が入り、黒髪の男が目が覚めたようだ。

「…誰だ?お前」

低くかすれた声が、俺にはない色気を出す。

「輝流のクラスメートです」

「輝流の?」

〝輝流〟男は名前を知っているんだと。



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