10


なんてことを思い出しながら、じっと陸人の顔を見る。

「俺は、ずっとこうだよ?」

崩れかかった表情が、元に戻る。

「…厚化粧ババァが…」

ボソッと呟いて、片側の口角を上げて陸人を挑発した。

見開いた目は、もう観念したのかすっと細くなった。

「はぁー。どこで見てたんだよ?リンダ」

明らかに声と口調が変わる。

「秘密」

こみ上げてくる笑いを抑えて、ふと花純をみると、

「もう!二人して花純の知らない話しないでよ!」

膨れた花純が、陸人を睨んでいた。

「輝流は、花純のなんだからね!」

フンっと、鼻息を荒くして言った言葉に教室がざわついた。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る