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「輝流!ご飯食べよっ」

夏になり、暑さで学校に行くのもめんどくなってきた毎日。

隣のクラスの花純は、毎日飽きずにお昼休みには来る。

「ダメだよ。今日こそは俺と食べるんだから」

私の前の席の椅子をこちらに向け、よっと腰掛ける陸人。

「そこ、花純の席!」

「いや、花純ちゃんは隣のクラスでしょ?」

二人のやりとりを見つつ、お弁当に手をつける。

「…陸人、前から思ってたんだけど、そのキャラ疲れないの?」

「……え?…」

私の言葉に少し過顔がこわばる。

「私が、知らないとでも思った?」

「なに言ってんの?」




あれは、三日前のことだった。

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