第18話猫と暮らすようになって変わったこと。旅行編Part2
前回、猫を飼ってから旅行に行けなくなったと書いたけど、正しくは(行きたくなくなった)だ。猫達をどこかに預けてでも行きたい場所はあまりなくなってしまった。
実際LAではどこにも行かなかった。オハイオに引っ越しが決まったときも飛行機の移動時はペットを貨物室にケージごと入れると言われ不安だった。死亡事故がとても多いのだ。
LAからオハイオ。一週間かかってもキャンピングカーで行こうと思ったほどだ。それでもアメリカの荒野の一本道でチャチャが窓から飛び出したところを想像をして涙が出たり、コタローがとことこと知らない人についていって迷子になったところを心配して涙が出たりした。本物の猫バカだ。
結局引っ越しは数時間なら座席の下にキャリーを置いてもいいという、ありがたい飛行機会社のおかげで解決した。ただし座席料金は払うのだ。
愛はお金がかかる。
オハイオに住んで1年ほどして北カリフォルニアに住んでいた夫の母親が具合が悪くなった。この時はお隣に鍵を預けて一日一回餌とトイレだけ頼んだ。これはお隣ご夫婦と食事をしている時にあちらから申し出てくださったのだった。
とてもありがたかったけれど、帰ってきてせめてのお礼をと100ドルとおみやげ、カードを渡すと「うわ~どうして!」と返そうとするのだ。「いつでも言って!そのかわりお金とかプレゼントとかやめて!したくてしているのよ」なーんて事を言ってくれちゃうイイヒトなのだが、かえって頼みにくくなってしまった。
なのでその後からペットホテルに預けることにしたのだった。
最初に選んだところは動物病院が経営しているところ。いつものところではないけれど、獣医がいつもいてくれるというのはすごく安心だ。と、最初は思った。
それなのに風邪をひいてかえってきた。毛が綺麗になっていて、お風呂サービスを受けたようだった。これは料金に含まれていたのだが、入れなくていいですと言っておいたのに。夜も寒く、暖房を切ったのではないかと睨んだ。不信感いっぱいになり、ここはやめた。
他の(泊まれる)獣医にも行ったのだが、普段は病気の犬猫を収容する場所なので、ケージが狭かった。動けまわれなさそうな空間で半分がトイレだった。ストレスが溜まりそうだ。
そこで「ペット専用ホテル」に行ってみた。ここはペットスマートという元ペットショップの経営だ。今は生体は売らず、餌やケージやおもちゃ、それからホテル、しつけ教室、トリミングをしている。
ここのケージは2階建てケージが2つくっついていて、とても広い。一緒のケージに入れるのがとても魅力だった。上下はパイプのようなものでつながっていて昇り降りも楽しそう。
ここに預けてみることにした。料金はネコ一匹20ドル。我が家は40ドル。ワクチン接種が条件だった。 いつものように30分チャチャをなだめすかし、大格闘の末連れてきた。
旅行前なのに息も絶え絶えになり、やっとたどり着き受付で説明をする。
「あの、オレンジのほうが、ちょっとなんていうか乱暴な子なんです」
「あらあ、わかりました」きれいなお姉さんだ。
最初にコタローをひょいっと抱き上げケージに入れる。ネコの扱いが上手だ。ぽーっとしていたコタローはおとなしくケージに入ってから、やっと気がついて、数分後、空間に「シャー」と言った。 お、おせえよ。
次はチャチャの番だった。 どれほど大暴れするだろうかと心配した。
なんときれいなお姉さんはそのまま、すっとチャチャを抱き上げた。
え?
チャチャは抱かれたまま、威嚇どころかうっとりしている。
え?
おねえさん!ただものじゃなかった!
私は一生ここに預けると決めた。
チャチャは特にネコを嫌っている人に敏感なところがある。まあ、だいたい誰にでも威嚇したり隠れてでてこなかったりするのだが、時々こうやって無条件に
「だあ~い好きい❤」と思う人がいるようだ。
基準は……全くわからない。
チャチャが美女好きなだけなのか? しかし、かかりつけの「ファーット」先生は美女ではない。
先生ごめん。
まったくもってネコは不思議だ。
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