第15話 厳しい里親会の話と猫の性格


 前回のエッセイで不幸な犬猫を増やさないために、ペットショップで犬猫を買わないで欲しいことを書いた。できたら里親会や保健所、アダプション会場に足を運んで欲しいと思っている。

 

 そういう話を友人ともいつもしている。そして親しい友人の1人が猫を里親会からもらうことになった。猫大好きな友人なので良かったねと喜びあった。ところが結局ペットショップで子猫を買ったというのだ。


 「え!もう里親会からもう連絡きたって言ってたじゃない?どうしたの?」ペットショップで買ったということにショックを受けながらも聞いてみた

 

 「それがさあ……何回も連絡した後、家まで来られてこの玄関ではだめですって言われたの」

 

 「え!?家の間取りのダメ出し??」


 その女性は里親会に言われて大きな2段階建てのケージまで購入していた。その上で家まで調べに来たらしい。そして両開きの玄関が広く、脱走するからダメだと言われたそうなのだ。


 「もう(うちの子に)って何度も期待して、あげくに家まで来てだめって言われて、希望がなくなって……そんな時にふらっとペットショップに行っちゃったんだ。そうしたら猫ちゃんと目があっちゃって……」


 私にはその女性を責めることはできない。何度も里親会のサイトを覗き、本当に猫を飼いたかったのを知っていたから。反対に厳しすぎる里親会にいきどうりを覚えた。


 確かに日本の一部の里親会はすごく厳しい。例えば独身男性はだめだとか年収の審査があったり、毎月写真とリポートを送るように言われたりするそうだ。


 里親会で虐待目的で子犬子猫を手に入れていたケースもあるので、責任を感じるのだと思うが、私は動物を愛するやさしい(独身男性)を何人も知っているし、(年収が低く)てもペットにだけはお金を惜しまない人も知っている。動物を守る目的なのに、あまりにも敷居が高いと逆効果だと思うのだが。


 私たちはアメリカで猫をアダプションした。抱っこさせてもらっているときに観察されたくらいで家族構成やましてどんな家に住んでいるか聞かれなかった。


 ここでも確かに数人断られていて、その人達は非常に怒っていた。でも私達の目から見ても子猫の扱いが乱暴でハラハラしていたので里親会のジャッジの目は正確だったのではないかと思った。


 残念なことに動物に対しての責任感が薄い人も確かにいて、生まれた子犬や子猫を簡単に捨てたり、買ったけど大きくなったからと保健所に連れて行く話も何回も聞いたことがある。


 小さくても命。大事にして欲しい。そして動物でも一緒に暮らせば家族なのだ。一生大事にしてほしいなと思う。


 さて、友人の買った猫だがチンチラ(長毛種のねこ、夏はカットが必要)という種類だった。一緒のケージにいたベンガル(ヒョウ柄の人気種だが野性的で運動量も必要で食事も生食が望ましいと言われる)に餌を奪われてボーッとしているようなおとなしい性格だったそうだ。


 日本に遊びに行った時にその子に会いに行ってきた。 人が来ると逃げるよと言われてたので覚悟していたが、私が猫好きだとすぐに見抜いたのかスッと近づいてきて甘える。

 

「か~~~かわいい~~~!!」チャチャだったらここで「ふしゃ~~!」なのに。そして挨拶が済むとトコトコ歩いて自分のケージに帰っていく。おもちゃではちょっと遊ぶけれどカーテンにかけのぼったりもしない。(これする子猫結構いる)家を見わたすと鳥かごやケージに入っているうさぎもいる。 


 「ケージに飛び乗ってひっくり返したりしないの?」


 「あはは、そんなことしたことないよ」


 チャチャならする。絶対にする。カシオミニを掛けても良い(by動物のお医者さん) 

 

 物が多く、お世辞にも片付いている家ではないのにいたずらをしないなんて。キッチンなんて宝の山(チャチャ目線)なのに。


 そういう種類の猫だからではないと思う。いたずらっ子のチンチラもいる。猫にも性格があるのだ。


 兄弟なのにおとなしいコタロウに対してチャチャはすごくやんちゃだ。今も私のそばにいるが「なにか面白いことないかな」とキョロキョロしていて私はドキドキしている。


 お昼寝の時間なのでコタローは「ここにしよう」と洗濯物の上に乗って寝てしまった。チャチャはギリギリまで何かをしたいタイプで、今までデスクに飛び乗り、パソコンの角で歯を磨き、書類をかじり、雑誌の上に座り、本棚の上にまで飛び乗って「遊ぶ?」と誘っている。


 どちらも性格がすごく違うけれど本当にかわいい。友人のチンチラも実家にいた猫達も皆それぞれ個性があった。 共通していることはそこに猫がいるだけで癒やされることだ。猫にはそういう力があるのだと思っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る