第14話 悪質ブリーダー パピーミルについて


☆今日はいつもと違い真面目で重い内容になっています。



 日本は空前の猫ブームだという。可愛らしい種類の猫を求めてペットショップは大反響だそうだ。私は猫を飼いだしてから動物愛護について新たに学んだことが多かった。以前にも書いたが、7年前ロスアンジェルスで猫を飼いたくて探したがどこにもいなかった。当然のようにペットショップへもでかけた。そしてLAではペットショップで犬猫の販売が禁止されたことを知った。当時は「なんでだろう?」と疑問にしか思わなかった。


 ペット屋にペットが売られてないなんて。


 LAの前に住んでいたハワイでは犬は普通に売られていた。猫はほとんど里親探し用の捨て猫やのら猫の子供がペットショップにたくさんいた。なので、引っ越して猫を飼うことに決めた時にお店にいけば当然いるものだと思っていた。

ペットショップで里親会が開かれることがわかり、そこで運命の2ニャンズと出会ったのだ。こちらではアダプションという。その頃からペット業界について知らないことが多かったので調べてみた。


 ペットショップでは純血種のしかも器量良しから売れていく。売れ残りの犬猫は処分されていたことを知った。それどころかその(純血種の器量良し)を生むためだけにずっとケージに入れられ交尾と出産を繰り返すだけの親犬、親猫がいたことも知った。


 アメリカではこの悪質なブリーダーをしていることをパピーミルという。簡単に言ってしまうと (子犬工場)だ。優良なブリーダーと分けるとともに、悪い意味でこのパピーミルという言葉が使われている。


 狭いケージに閉じ込められ、一歩も外に出たことのないまま、死ぬまでまたは産めなくなるまでパピーを産まされ続ける。ときにケージは何段にも積み重なれ、下にいる犬達は上段からの糞尿にまみれる。死なない程度の餌と水。 不潔極まる中で殆どの犬が病気にかかると言われている。


 今、日本でもこういうパピーミルがとても増えていると聞いている。アメリカは数年前から大問題になり、かなり少なくなってきた。実はオハイオにも、このパピーミルが最近まであった。


 オハイオには移民当時の生活(服装なども)をしていて、電気などの文明を一切拒否して生活しているアーミッシュという人達がいる。

交通手段は馬車。 自給自足。読書までも禁止。 実態はあまり明らかにされていないが、オハイオとペンシルベニアにアーミッシュ村がある。このアミッシュがパピーミルをしていたことが発覚したのだ。(犬)はあくまでも売り物であり、パピーミルをすることがなぜ悪いのか理解できないと言った。そして2012年にパピーミルを禁止する法が成立した。(State law signed by Gov. John Kasich in 2012)


 日本でも動物愛護管理法が改正され、虐待などについての罰が厳しくなった。(動物愛護法改正 環境省)

この改正によって保健所が持ち込みを拒否できるということも決まった。今まで親犬親猫、それから売れ残りの動物たちを処分するための持ち込みにNoといえるようになった。


 肝心なことは、こういう悪質ブリーダーをなくすこと。じゃあどうすればいいか?そういう連鎖を断ち切るにはどうすべきかとアメリカは(全州ではないけれど)考えた。

 

 まず(生体をペットショップで売らない)それから(犬猫虐待者は法的に処罰する)法案もでき、アニマルポリスが誕生した。

アニマルポリスとは動物のために生まれた組織で虐待者を逮捕できる権限を持つ。このアニマルポリスについてはまた書きたいと思う。

州によって法案が違うので残念なことにオハイオではまだペットが売られている場所がある。生体販売が早くなくなるようにと願っている。


 私達は本当に偶然猫を飼いたい時にLAにいて、コタローとチャチャをアダプションできた。運命だと思っている。この縁を大事にしていきたい。


 毎日これでもかというくらい愛情を注いでいるつもりだ。

それなのに今日もコタローは抱っこをすると「いやー」っと蹴りまくり、チャチャは私が頭にカーラー巻いていたのを見て威嚇した。「シャー」をした後、もう一度よく見てやっぱり「シャー」っと威嚇した。


 ふ……愛って切ない。


 「いや~」や「しゃ~」もあるけれど、安心しきって寝ていたり、ゴロゴロ喉を鳴らす様子を見ているだけで幸せで胸が一杯になるのだった。

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