第16話凄いテクニック(死んだふり)と(忘れたふり)
前回、2ニャンズの性格の違いを書いた。 性格だけではなく、頭脳と身体能力もかなり違いがありそうだ。
チャチャはすごく頭がいい。 だいたい一回でなんでも覚える。
「これはやってはダメ」と教えると「はい!わかりました!」の顔をして、すっと後ずさる。 ただし、「やってはいけない」のはわかっちゃいるけど「やりてえ」な性格なのだ。
見ないふりをしていると、チラチラを盗み見をしながら、そっと近づいていって「成功しめしめ」な表情で手をまさに出そうとした瞬間
「チャチャ!!見てるよ!!」と言うと、なんとバタンと死んだふりをした。
前も書いたけれど、初めて見た時ふき出してしまった。いや今でも笑ってしまう。 絶妙なタイミングでバタン! をする。 目も閉じている。 そして数秒すると薄目を開けるのだが、私と目が合い、またすぐに目を閉じる。
この辺から尻尾ピターンピターン(機嫌が悪い時にする行為)が始まる。自分で始めたくせにとやっぱり笑ってしまう。このテクは息子によく使っているようだ。
「これはダメだよ」と言われているコード類に手を伸ばしてはバタンをしているようだ。実家(ここ)に来ている時よく部屋から笑い声がする。
チャチャは勝手にドアも開ける。これは人が開けるのを見て覚えたのだ。取っ手を下に下げたまま押すと開くことを。体が長いので取っ手に軽々と手が届く。
トイレの鍵を忘れると、ガチャンと開けて偵察してから出ていく。もちろんドアは閉めない。
お願い閉めて。
反対にコタローは何も覚えない。おぼえないのは良いけれど、なんでも忘れる。
オハイオに来た頃、猫トイレはしばらく1階の洗濯室に置いてあった。地下に移動したのはもう3年も前だろうか? 今でも洗濯室に入って行って鳴いている。
コタローの鳴き声はものすごく大きく物悲しく、昔は「なにごと!?」と皆が飛んでいった。 だいたいの場合「え?なんだっけ?(これ多い)」忘れているのだ。
この時も「ボクのトイレがないよ?どこ~?」とにゃああああああ~~~ん、にゃああ~~~~んと大声で鳴くので地下室のドアを指すと
「……あ、そうだった」と何事もなかったようにすましてスタスタ降りていくので、笑った。
信じられないことに2階に寝室があり、皆がそこで寝ていることも忘れる。夜中になると寂しいと「わにゃあああああああ~~ん」が始まる。「コタちゃん、おいで」と言っても「声はするのにママがいない」(たぶん)とさらに大きな声で鳴く。 仕方ないので降りていき、今度は抱っこして連れてくると、何もかもはじめて見たような行動を始める。いろいろな物の匂いをかぎ、なにこれ?と猫パンチを繰り出す。
だいじょうぶなのか?こたちゃん。書いていて心配になってきた。
こうやって連れてくると3日位はとっとっとと自分から階段を登ってきて、鏡に猫パンチ連続のミラードラムなどをしているのだが、しばらくするとまた忘れて一階で鳴き始める。
本当に(忘れている)のか怪しいと最近思っている。なぜなら(嫌だったことは絶対に忘れない)からだ。
ビロウな話で申し訳ないが、生きている物は出さねばならぬ。通常、猫のトイレ事情は人間にはすごく楽だ。赤ちゃん猫でも砂場をすぐに覚える。勝手に行って匂いが出ないように砂までかけておいてくれる。
ただし、おしりを拭くことはできないので時々デリケートな部分に小さな塊がくっついていたりする。それを丸めたティッシュで取られるのがものすごく嫌いなのだ。
私がティッシュを手に持って近づくと、すごい勢いで逃げ出す。
怖い、痛い。から覚えているのか、それともなんでも本当は覚えているけど人間を操っているのかは謎のままにしておこう。
身体能力が高いのは意外にもコタロウの方で紙を丸めたおもちゃ(命名カミマルメターノ)でバレーボールするのが得意だ。放り投げると空中をかなりの高さで舞い素晴らしいアタックを繰り出す。背中を反らせてバシーっとボールを飛ばすところは惚れ惚れする。
チャチャはこれが殆どできない。顔の上で投げると、手を伸ばすポーズはしてもだいたい、ポトンと頭の上に当たる。その情けなさにまた笑ってしまうのだが、その後さっそうとカミマルメターノを追いかけていく。そして、なんとそれを咥えて戻ってくる。
チャチャはどうも犬っぽいところがある。猫っぽい猫と犬っぽい猫。正反対の性格に見えるけれど、初めてみたときから今日まで、どんなときも仲良しでいつも一緒に寝ている。
2匹一緒にアダプションできて本当に良かったなあと今日も思うのであった。
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