第21話 アメリカのアニマルポリス
このエッセイではアメリカの猫と日本の違いについて書こうと思っていた。しかし猫に国境はなかった。日本の猫もアメリカの猫も、いや世界中の猫が同じだった。可愛く気まぐれで、喉を鳴らし、足に体を擦り付け、箱に入り、乾いた洗濯物の上に乗リ、読みかけの新聞紙の上に乗る。遊びたい時には時間お構いなしに遊んでとやってきて、気分が乗らない時はぷいっとどこかへ行ってしまう。
そんな可愛い世界中の猫そして犬(実は犬もかなり好きなのだ)信じられないことに虐待する人達がいる。意図的な酷い虐待から、例えば庭に繋ぎっぱなしというような意識していない虐待もある。
動物に国境はないけれど、国の法律は世界中かなり違いがあるように思う。
アメリカは動物虐待は法律で厳しく罰せられる。動物たちを守るアニマルポリスという団体がある。
警察の中の部署ではなく、あくまでも非営利団体による動物保護活動で、州によって、存在や呼び名も変わる。
大きな特徴は
1 通報によって駆けつけ介入できる。
2 明らかな虐待や命にかかわるような場合はその場で保護ができる。
3 犯罪が疑われる場合は逮捕権もある。
介入できるのはinvestigatorインベスティゲーター(捜査員)と呼ばれる人たち、逮捕権があるのはその中の一人くらいだが、実際に逮捕できる権利があるというのは素晴らしいと思った。警察との連携になっているので、素早い対応ができる。
この世界最大と言われている米国動物愛護協会(ASPCA)は、北アメリカの最初の愛護協会だ。
「動物には権利があって、法律のもとに保護されていなければならない」と1866年にヘンリー・バーグによって設立された。
本部はニューヨーク市にあり、動物の反虐待を全国で広め、権利保護組織として認められている。行政からの資金は一切受け付けておらず、団体は全国の支援者からの寄付金によって運営。動物虐待の防止のための効果的な手段を合衆国に提供する活動をしている。
1866年という昔から動物の権利が守られているのは素晴らしいことだと思う。
このアニマルポリスの活躍のドキュメンタリー「アニマルコップス」というテレビ番組もある。日本で言うと(警視庁24時)のような感じの実録ものだ。
この番組は動物好きには見るのが辛い。あんまりな虐待をされた動物をそのまま放映するのだ。涙が出てくる。 それでもアニマルコップスが飼い主と喧嘩になり、ペットを取り上げ保護し飼い主が逮捕される瞬間は拍手したくなってしまう。
また最近アメリカで車に残されていた犬を見つけて、窓を壊して救出した人もいた。こういうことは結構多いと聞いたが、車と犬の持ち主はカンカンになり裁判になった。その結果、窓を壊した人はお咎めなしになった。
「お高い車よりも犬の命のほうが大事だろうが~」ということか。こういうところはアメリカは良いなあと思うのだ。
それからオランダはもう一歩進んでいるらしく、警察官としてのアニマルポリスオフィサーが存在する。
2011年に、最初の動物の警察サービスができた。(アニマルコップス)動物の虐待を取り締まるため始まった。
こちらの素晴らしいことは110番や911のように144という特別な電話番号があることだ
There is also a special alarm number 144, for reporting animals in distress.
動物を大事にするヨーロッパにはきっともっと進んだ(被虐待の法律)があるに違いない。
日本も最近動物愛護法ができたそうだ。 せっかくの法律生かされているのだろうか?残念なことに日本では児童虐待の場合ですらドアを破って踏み込めないと聞いた。
大切な命を守る法律が早くできて、それを生かして欲しいと心から願っている。
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