第12話 トルネードがオハイオを襲う
つい数日前、
2年前の5月にはかなりの大型トルネードが我が家のすぐ近くに現れた。トルネードにはそのまま、ずずーっと進んでいくタイプと、ぱっと現れて消えるタイプのものがある。ある場所に一瞬で現れて消えるタイプのものはタッチダウンと呼ばれている。車で数分、歩いても30分位のところにKマートという量販店があるのだが、そのすぐ前の場所にタッチダウンした。
ニュースの映像を見ると空が急に真っ暗になりグルグル回りながら現れたトルネードは駐車していた5台の車を巻き上げた。そのうちの2台は人が乗っていたのだ。 直後に消えたので空高く舞い上がる前に地面に叩きつけられた。車はかなり破壊されていたが、乗っていた人は無事だった。タッチダウンでなければ助かっていないだろう。
トルネードの威力と破壊力は本当にすごい。映画はオーバーではなかった。牛だってシャークだってきっと舞い上がっていくだろう。
Kマートの並びのフィットネスジムやレストランの屋根も大破して、消えた後に 次は近くの民家でタッチダウンした。そこでは大木が根っこからズボッと引き抜かれていた。
なんと、この通り道の先に我が家があったのだが、その時私は「天気悪いなー」と思いながら映画鑑賞中だった。テレビだったら中断して警報が出るけれど、DVDだったので、何も知らずにのんびりしていた。 あとでニュースを見て震え上がった。木が引っこ抜かれたのはすぐ裏だった。そして、夫も仕事帰りに運転中だった。ちょうどトルネードがKマートに現れた頃にそばを通っていた。夫もこのトルネードのことは知らなかったのだった。
オハイオは2年に一回くらい大きなトルネードが現れる。まだ引っ越す前に巨大な竜巻がある街を襲った。その時は家ごと全壊で、全てが空に舞い上がり、助かったのは地下室に避難した人だけだった。上空からの写真を見るとトルネードの通り道の家という家が、まるで砂絵を指ですーっとなぞったようにきれいに消えていた。
そのことを聞いていたのでオハイオでの家探しは地下室アリにこだわった。ただし、ホラー映画に出てくるような暗くじんめりした地下室ではなくて、部屋になっているもの。引っ越した後に家を建てることになり、地下室は広い部屋のようにつくってもらった。
避難には猫も連れていかなければならない。 コタローは毎回忘れているが、チャチャはケージを見るとぶっ飛んで逃げていく。なのでケージに入れて地下に運ぶのは不可能に近い。 8キロと9キロだし、違う意味でも不可能に近い。
そこで普段から地下に猫トイレも置き、おもちゃも置くようにした。紙を丸めたボール(命名カミマルメターノ)のゴールは地下室だ。地下への階段で遊ぶのも爪をとぐのも許した。(階段は大変なことになったが)この階段を降りると楽しいんだよと洗脳した。家のものが下に行くときには、必ずついてくるようになった。これで完璧だ。
今現在、地下の部屋の半分はソファーとテレビがあるリビング。半分は夫のジムになっている。これから人間のトイレとバーを作る予定なのだ。 少し食料と飲み物もあれば数日閉じ込められても大丈夫だ。って楽しみに竜巻を待っているわけではないけれど、備えておくことは大事なことだと思う。特にペットの命を災害から守るのは飼い主にしかできない。猫にとっても人間にとっても備えあれば憂いなしなのだ。
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