概要
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- ★★★ Excellent!!!絶望的過ぎて、読むのをやめられない迷宮脱出行。
賞金首を追って、迷宮へと潜った賞金稼ぎたち。
罠などの危険はあるが、道を熟知した案内人もおり、迷うことなどありえないはずなのに。
ゲームや小説でお馴染みのダンジョンですが。
迷うとは、本来こんなに怖いものだったのか、と思い知らされます。
ホラー小説読んでるみたいに怖い。
迷宮の魔法に対抗する手段も凄絶。
しかし、生きて脱出するためには、それしかない。
この地下墓場の物語に、甘さは一切ありません。
でも、ものすごく文章が格好いい。
読んでいて高揚します。
『そして人は神を殺した』!
『そして人は神を殺した』!
『そして人は神を殺した』!
――そして、彼らは〈神話〉になった。
一転し…続きを読む - ★★★ Excellent!!!脱出叶わぬ、「迷宮」の純粋な恐怖。そして。
迷子。
この言葉のイメージはひどく幼稚で滑稽に見えます。
しかし実際に道案内人もおらず、地図もなく、携帯の電波も入らないような僻地に取り残されればどうでしょうか。
それは幼稚でも滑稽でもなく、ただ突然に急激に、命の危機となります。途端に心細く、恐怖が増していきます。
この小説はそんな「迷子」の物語です。賞金首を捕えに来ただけの一行が、勝手知ったるはずの「迷宮」に囚われる。
そこで次々に起こる不可解な現象。
迷宮の血塗られた過去と共に何が彼らを囚えているのかが明らかになっていく。
この「迷宮の得体の知れなさ」の表現が見事です。
何故迷宮は再び「迷宮」となってしまったのか?
「神話」を打ち破…続きを読む - ★★★ Excellent!!!命尽きて、なおも殺せぬ神話を知れ
危険と宝物ひそむ迷宮があり、冒険者はそれに挑む……ハック&スラッシュのダンジョンアタックは、ファンタジーRPG小説では基本中の基本シチュエーションと言えましょう。
それはつまり、地力が如実に現れる、ということです。「またダンジョンか」と敬遠していては、もったいない!
ではこの作品はどうか? まず、空気感。土埃が肌につく手触りを覚えるような、ざらつく乾いた空気。鼻孔をくすぐるカビと汚物の悪臭。そんなものさえ想起される、翻訳ものっぽい文体――好きな方なら、これだけでビビッと来るのではないでしょうか。
次に、軽妙なキャラクターたち。彼らが物語の場に躍り出るや、二言三言しゃべるだけで、もう…続きを読む