概要
ガス惑星〈木星〉を深く潜って行けば、そこに広がっているのは水無き海〈金属海〉。
超高温、超高圧の液体金属水素からなる海は、かつて人型兵器が跋扈する戦場だった。
時は流れ、50年後。
かつてエースパイロットとして名を馳せていた爺は、木星大気圏内の連絡艇船長として、日々穏やかな余生を送っていた。
しかし、航行用AI〈アイ〉の不調を切っ掛けにして、爺は金属海の超深海層へと赴く事に。
再び人型機動兵器〈ダイバー〉に乗り込む爺は、果たしてAI〈アイ〉を守る事が出来るのか。
金属海を舞台に、ジジイ共の余生を賭けた大深度ミッションが始まる!
(全9話、7万文字ほどの中編として完結済!)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!木星の海を舞台にした男達の挽歌。主人公達が格好良い!
ストーリーの構成が奮っている。読者はまず、冒頭の戦闘シーンに度肝を抜かれるだろう。ロボットをテーマにしたカクヨム内の私的品評会で最優秀賞を射止めた作者の筆力の面目躍如である。最優秀賞を受賞した作品は別作品なので、これから読んでみよう、と私は考えている。
さて、本作のレビューに戻ると、冒頭の戦闘シーンで主人公達の力量を始めとしたキャラ設定がシッカリなされ、中盤で主人公達の現在が語られ始める。
これが凄く格好良いのだ。格好良過ぎる。眼をショボショボさせて、スマホで投稿作品を読んでいる貴方ならば特に、主人公達に激励され、勇気を貰えるであろう。
細々とした設定にも配慮が行き届いており、一級のSF小説…続きを読む - ★★★ Excellent!!!AI少女の願いのために、爺様たちの熱すぎる戦い
木星大気の底、金属海を舞台に戦う巨大人型兵器が、音響兵器、そしてブラックホールウエポンを撃ち合うって!
老兵たちが若き日の戦場へ舞い戻る……というか、潜ります。
3600万気圧の金属海に! その高圧地獄の最中で機動し、狙撃し、生命の奪い合いを演じます。
一風変わった設定を持っていますが、緩い誤魔化しなんてどこにもない完全にハードなSF作品です。
機械の雄叫びや破壊音が聞こえるような重い文体ですが、展開が魅力的なせいか、ガンガン読めます。
そして老兵たちの友情と絆が熱い。信頼の上に成り立つ無茶すぎる作戦が、読み進めるたびに熱く語ってきます。
特にラストの「海刃」を駆るブル爺様の全力全開…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「金属海」!? そしてラストはこれまた一品!!
はじめ読んだ時の感想はロボものにしてはかなり異色な作品だなと思いました。
というのも「金属海」はかなり特殊で、液体金属の海、というのが想像しづらい物だったからです。ただ読み進めていくとそれがかなり極限状態な背景を醸し出しているので、ここがヘルダイバーという作品の中心なのだなと、私はかなり楽しめました。
またもう一つの見どころとして、老兵の生き様があります。だいたい物語における老兵ってかっこいいと相場が決まっていますが、例に漏れずかっこいいですw
ロボもの特有の用語もとてもかっこいいし、何よりラストはらしいなと思いました。
とてもいい作品だと思います!