AI少女の願いのために、爺様たちの熱すぎる戦い

木星大気の底、金属海を舞台に戦う巨大人型兵器が、音響兵器、そしてブラックホールウエポンを撃ち合うって!

老兵たちが若き日の戦場へ舞い戻る……というか、潜ります。
3600万気圧の金属海に! その高圧地獄の最中で機動し、狙撃し、生命の奪い合いを演じます。

一風変わった設定を持っていますが、緩い誤魔化しなんてどこにもない完全にハードなSF作品です。
機械の雄叫びや破壊音が聞こえるような重い文体ですが、展開が魅力的なせいか、ガンガン読めます。
そして老兵たちの友情と絆が熱い。信頼の上に成り立つ無茶すぎる作戦が、読み進めるたびに熱く語ってきます。

特にラストの「海刃」を駆るブル爺様の全力全開ぶりは、賞賛を通り越して寒気がするほど。

熱い男たちのかっこよさをぜひご覧ください。

その他のおすすめレビュー

天菜真祭さんの他のおすすめレビュー214