第二十七戦 VS無心
草原を踏みしめる
「速いな……」
「オレの能力は『何も考えずに行動できる能力』だからなぁ! 考える
そういって、再び攻撃を開始する。俺の拳を
ひるまずに顔面を殴り返したが、腰の入っていない拳では大したダメージにもならず、逆に腰の入った拳で殴り返された。
おそらく、俺と相手の実力は
こちらも何も考えずにいくか? ――逆だ。相手が考えない分も俺が考えろ。同じ実力の持ち主と戦うのは、これが初めてじゃない。あの『シーンをスキップする能力』者も、俺と同じ実力の持ち主だった。
あいつも、この相手と同じような
いいや、違う。もう、相手のペースに合わせるのはやめる。俺は、俺の戦い方を貫き通す。
視線を読み取れ。呼吸を合わせろ。相手を観察し続けろ。先の先の先へ。決着を思い描け。
相手の攻撃をもらうことは、何も
『シーンをスキップする能力』者を思い出せ。あのフィニッシュブローを思い出せ。
89%――95%――98%――100%!! ここ一番のカウンターブローを、相手の顔面に叩き込め!!
「ァアアアアアアアアアッ!!」「ォオオオオオオオオオッ!!」
互いの拳が、同時に互いの顔に向かって飛んでいく。相手の左腕と自分の右腕が交差する。俺の拳は、頬をとらえている。相手の拳は、わずかに外れていた。
『シーンをスキップする能力』者に、偶然叩き込んだクロスカウンターを、
俺はあいつを、相手を、今までの俺を超えたんだ。
意識を手放した相手は、地面に
「何も考えずに勝てるなら、苦労しねえよ」
第二十七戦 勝利
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