第八戦 VS蜃気楼 第九戦 VS殺気

「どうだ……本物のオレはそこにはいない……オマエはこの『蜃気楼しんきろうを発生させる能力』を……どのように攻略するのかな……?」


「そこだ!」

「ぐぱぁ!? な、なぜオレの居場所がわかった……」

「声がしたから」


第八戦 勝利


◇◇◇


 突然、俺の身体から多量の血しぶきが噴き出した。目の前が真っ赤に染まる。

 身体中が何かに切りきざまれ、一瞬のうちに致命傷ちめいしょうを受けた。


「――はっ!?」


 戦慄せんりつから我に返った。身体を確認すると、大量の汗をいてはいたが、服も身体も切り刻まれてはおらず、無傷だった。


 背後を振り返ると、黒い中折れぼうを目元まで深く被った黒コートの男が立っていた。

 黒い皮手袋で帽子の前側を押さえ、つばのすぐ下から鋭い眼力がんりきで俺を射抜いてきた。


「『殺気をぶつけた相手に死のイメージを見せつける能力』。いい夢見れたかよ?」

「……ああ。そういう」

「ん? 何で俺、自分の能力をペラペラと話して――」

「オラァ!」

「ぐぱぁ!?」


第九戦 勝利

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