第十四戦 VS視線

「貴様ッ! 見ているなッ!?」

「……!」


 ばばっ、と機敏きびんな動作でこちらを振り向いてきた。ランニングシャツとランニングパンツを身に着けたその男は、俺に背を向けるとクラウチングスタートの体勢をとった。


「オレの能力は『視線を感じる能力』ッ! つまり勝ち目はないッ! だがこれはバトルロワイアルッ! 最後の一人になる可能性を信じて逃げさせてもらおうッ!」


 宣言を終えると地面を勢いよく蹴りだし、美しいフォームで颯爽さっそうと走り去っていった。


「速いな……陸上選手か」


 あいつは、他の誰かに倒してもらおう。


第十四戦 引き分け

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