嘘を吐かない人形は。

ただただかっこいいです

今後とも楽しみにしています

砂漠の只中にある、魔法による機械仕掛けの町。
依頼された機械の修理は、本当はたやすいはずで。

どうやら、もっと深い事情がありそうだ。
人間嫌いの彼の居場所だとか、
気配のない襲撃者の正体だとか、
この町が向き合うべき今後の課題だとか。

吸血鬼リズは、存在そのものがお洒落で残酷。
無関心そうなのに、どこか執着的でもあって。

記憶と対話するロディアの不思議な雰囲気も、
やがて明かされる「嘘」によって理由がわかる。

確立された独特な世界観、すごく好き。

今、読み終えて「うむむ」と唸っています。
もちろん、いい意味で。

蒸気と人形と魔石――。

そんなスチームパンクっぽい背景に
砂嵐が吹き込んでるような街で
主人公コンビが活躍します。

まず、このコンビをつくり上げた
作者の創造力に拍手を。

次に、読者の眼前に風景が浮かぶような
確かな描写に拍手を。

さらに、そのなかに「さまざまな仕掛け」を
溶かし込んだ緻密な構成にも拍手を。

本作は、さまざまな彩と表情をもった
約3万8000字の中編小説です。
それを読む間、十分に楽しめますし、
読後は深い納得にうなずいていることでしょう。

そして、漫画原作小説コンテスト出品作です。
もちろん、漫…続きを読む

描写力を高く評価する。
作者もおそらくは見えている絵を描いているのだろう。

しかしながら、クエスチョンマークのあとにスペースがなかったり、バランスが危ういところもあるが、これは意図されたものなのだろうか？
構成力など全体を踏まえてみれば作法を知らぬはずもなく、意図されたものと考える。
世には改行など不要と考えていた作家もいるのだから問題視はしない。

欲をいえば、専門用語にもこだわりがあれば更に世界観にのめり込めたかと思う。惜しいのは唯一この一点のみである。

良作を描いてくれた作者に感謝したい。

小説が苦手な私でも、ぐいぐいと引き込まれました。
話の流れ方は面白いですし、最高です。
人の心は移ろいやすく、脆いもの。
では、物はどうなのでしょうか。
心が無い、ただの「物」なのでしょうか。
案外、物は人より純粋な心を持っているのかもしれませんね。
そんな事を考えたりしました。

兎に角、素敵な作品です。
読了しましたが、この作品の続きも気になって仕方がないです。

嘘について考えされられた作品でした。

世界観以上に、真相にたどり着いた後の結末に衝撃を受けました。

その美しい描写が、僕らを世界へと導いてくれます。
魔石技術者や魔石等、読者の知らない知識を緩やかにその脳内に埋め込んでいく手際はまさに圧巻と言わざるを得ません。
最後の最後で明かされる真実、タイトルの回収まで本当に見事で美しかったです。

自分の描く吸血鬼とは、また違ったスタイルの美しく強い吸血鬼に、僕はどこか、恋をしてしまいました。

続きが読みたい作品です。
この事件だけでなく、彼女達の今後をずっと読んで追いかけていたいと思いました。

中性的なロディアと美しく気高いリズの小気味良い会話を追っていくうちに、ストーリーはとある『一件』へと辿り着く。

スチームパンク的な世界観とそこで活きる者たちの対比が面白い。
乾いた砂の街と凄惨な事件。魔石と獣人。蒸気機構と天才技師。吸血鬼と人形…心を鷲づかみにされる要素が盛りだくさん。

二人の旅路をもっと見ていたかったな…と心残りがつのったところで、小さな言葉遊びから連なる仕掛けに驚く！
それは幸福な嘘か、それとも悲しい真実か。ぜひご一読を。

感服いたしました……！！！

これは。すごい。
ロディアとリズのキャラクター造詣が美しくて魅力的なのは当然として。
ギミックに唸らされたのもこれまた当然として。
最後の最後の最後まで。感服です。

この作品は埋もれさせてはいけない。
絶対に、埋もれさせてはいけない

スチームパンクの世界観が見事で、登場「人物」もその造形が見事です。
違和感なく読み進めて、最後に仕掛けが。
この仕掛けは読めなかった……！
伏線はあったのですが、まさか、という思いでした。
是非一読されることをお勧めします。