小鳥 薊

プルースト現象が引き起こす主人公の追憶と一緒に、自分も物語の世界に入り込めたような読了感がありました。 文章もそうですが、登場人物のやりとりや言動なども、少ない文字数で見事に表現さ…続きを読む

死人ちゃん、なんか可愛くて好きです。
これは死人ちゃんの自分探しの旅でしょうか？
タイトルと冒頭の下りから衝撃を受け、そして話が進む毎に中毒になってしまいました。

短い文字数で、緊迫した五分間の出来事を巧みに表現されていると思いました。 戦争で散っていった若者の人生を、最後のラスト三行で深く感じずにいられません。 こういう作品を多くの若者に読…続きを読む

退廃した世界、「スノウホワイト」という存在、無垢な少女と主人公との関係性など、設定や文章の全てに惹き付けられます。 まだ全体が明らかになっていませんが、展開と結末が楽しみな作品です…続きを読む

タイトルからは想像できないストーリー展開で始終楽しめました。
詳しくはネタバレになりますので、ぜひ読んでいただきたいです。

ワンコインホテル、面白かったです。
途中途中で呟かれる、主人公の言葉通り、読んでいて『ワンコイン』の質が浮き彫りに……。
オチも納得。上手くまとまっていて見事な短編でした。

日本の戦争の歴史と、人間兵器などのフィクションを織り交ぜて描かれた作品です。 主人公がどのようにして戦地に赴き、家族はどうだったのか、そして戦闘中の気持ちは……情景描写が臨場感あふ…続きを読む

どの話も読んでいてほっこりします。
何気ない日常の、ちょっぴり幸せな時間、特別な時間を切り取った、癒し系小説。

どのお話も、起こり得そうな展開で、読了後に背筋がゾクッとしてしまいます。 登場人物の体温の低さというか、無機質なやり取り、合理主義で強引にもっていく展開もシュールで、まさしくタイト…続きを読む

主人公の、逃れられない運命に同情してしまいますが、彼女と『G』との狭間で葛藤する主人公を応援したくなります。
そして、笑えます。

詩的な表現と、破滅的な二人の不安定な主人公の独白に、読んでいて目眩がしそうな感覚に陥りました。
共感できる人にとっては中毒性のある、魅力的な作品だと思います。

上品で美しい物語でした。 絵画に関わる人には共感できる部分が多いと思いますし、人生の岐路にそっと傍らに置いておきたいような作品でした。 主人公と老婦人、二人のマドモアゼルのやり取り…続きを読む

「人間失格」の世界観が好きで拝読させていただきました。
始終付きまとう冷え冷えとした独白を俯瞰して見ると、人間社会に馴染めない怪物の孤独と、苦悩からの解放の物語だと感じました。

男の子同士の友情が深まる場面が読んでいてとても繊細でリアルな感じを受けました。
病気の男の子が主人公なんですが、予想していたラストとは少し違った結末を迎え、その展開に感動しました。

誰もが知る新撰組の沖田総司を主人公に、彼が最期に何を思ったかを描いた作品です。
土方歳三とのやり取りや、辞世の句が表現する清らかな世界が美しいです。

冒頭から、頭の中がパニックです。
隆って何なの？これから何が起こるの？どうなっちゃうの？
え、どうなるの？？？
最後まで一気に読み終えちゃいます。

昔話風の語り口調が独特で面白いです。
物語は純愛。
かまいたちの道理と愛情表現は人間のそれとは違いますが、それでも通じ合う男女の関係が切ないです。

廃退的な世界を美しく表現されています。 生命が誕生して滅んで、そしてまた新たに生まれていく……。 戦争や遺伝子操作、環境汚染など、人間が世界にしてきたことに対して、いつか制裁される…続きを読む

冒頭は、霧に包まれたようなホラー色から始まって、物語が展開するに従ってその霧は晴れてきます。ラストは……。
すっきりとまとまっていて最初から最後まで楽しめました。

これが究極の愛情表現なんでしょうか……。
主人公にとって完璧な世界が突然壊れてしまった途端に、一気にホラーとなる疾走感が良かったです。

普通、法律を擬人化しますか？
それだけでも興味深いですが、作品自体も日本国民として考えさせられる内容でした。
私には思いつかない発想と展開でお見事です。

「止まずの雨」の後日談として、読ませていただきました。 八重ファンの一人としては、非常に辛い結末でした。 ……しかし、この作品は素晴らしいですね。 そして、こういう世界観、好きで…続きを読む

死が生を際立たせるという、コントラストが作品に活かされていて興味深いお話でした。 こういう風に生きている人って、今の時代きっと多いんでしょうね……。 「いつでも死ねる」ことが今日を…続きを読む

すごく興味深く、お話も面白かったです。 私には思いつかない設定で、すごく独創性を感じました。 始終、終末感の中に身を置きながら拝読させていただき、主人公の結末に救済されるラストがた…続きを読む

どれもすごく面白かったです。 私は一話目が中でも好きで、現代を生きる若者が生き死にについて語っていく口調も私には絶対に書けませんし、メッセージ性がすごくある作品でした。 バカな男に…続きを読む

文章構成から言葉の一つ一つが洗練された美しさを持っています。
ストーリーは、遊女の避けられぬ結末、そうだよな……という展開で、悲しくなりますが、世界観が本当に美しいです。

ぬいぐるみ目線で語られる失恋物語です。
愛する人のために、ピエロを演じる愛しのにゃんごろー、大好きです。

すごく良かったです。平凡な日常を切り取ったワンシーンのみですが、そこに主人公の回想や恋人の存在が語られることで、読んだ後に必ず、平和を感じます。 雨の音、雨の匂い、洗濯待ち……全て…続きを読む

どこかにありそうな人魚のお話ですが、おとぎ話の人魚よりも動物的で人間とのやり取りに緊張感があります。
悲しい結末になんとも言えぬ余韻が残り、読んでよかったです。

とても面白かったです。
話が進むにつれて登場人物の心情や正体が明らかになっていきますが、その描写がとても丁寧です。
なにより、かけるくんが素敵^ ^

息子の帰省から始まる親子の人生を、始終、熱量を保ちながら丁寧に描いております。 二人が、特に父がどんな思いで生きてきたのか……静かな息づかいで締めるラストも素晴らしいと思いました。…続きを読む

面白い。
表現として新鮮で、「あるある〜」と頷きながら読んでしまった私も腹黒いのかも……。
すごく短いので、まず見てみてください。
タイトル、まんまです^^

仲の良かった友達が結婚したり、お母さんになると知らされたとき、取り残されたような感覚がすごく分かります。 その他にも、大人になるときの通過儀礼みたいなことって色々あると思いますが、…続きを読む

規則的に、意図的に置かれた文章。その表現から生まれる独特な雰囲気を、この作品は纏っています。 さらっと読んでみると難解のようでいて、綺麗な御伽話のようですが、最後まで読むと、何とも…続きを読む

本当、昔の博識な文豪は洒落ていますよね。 そんな告白を、してもされても、どちらも素敵。 ただ失恋して悲しむより、月が慰めてくれているような、そんな光景が、拝読していて浮かびました。…続きを読む

私は普段、こういう作品は読んだことなかったのですが…… のっけからハイテンションで進んでいく登場人物の言動に、突っ込みながら読み進めてしまいます。 え、なんで？なんでそうなる……^…続きを読む

主人公と黒猫クロノの掛け合いが淡々としていて押し付けがましくなく、読んでいるとこの不思議な旅行に自然と自分も身を置くことができます。 途中途中でさらっと出てくるカメラの知識も、後半…続きを読む

率直な感想として、瑞々しく鋭い感性をお持ちだなと思いました。
感性が、生き死にの狭間で踠いている印象を受けました。

リエミさんの繊細で上品な文章が作り出す幻想的な世界がここにあります。
美しい、の一言に尽きます。
何度も出てくる「ライン」には中毒性がありますね。

家族のキャラクターや、旅先の光景がとても丁寧に描かれており、こちらも一緒に楽しい旅ができました^_^ 男の気持ちと女の気持ちの絶妙な相違に、頷けます。 ほのぼのしていて癒されました…続きを読む

すっきりと完成された文章がとても読みやすかったです。
ストーリーも、これぞ短編という展開とキレに感服致します^ ^
面白いですね。

死を題材にした詩、どれも心が打たれます。
まだ全て拝読できていませんが、「道ばたの死」の、詩のなかで死ね、という文句にしびれました。
すばらしいです。

心の隙間にすっと入ってくる31音の調べ。
読んだあと、哀しみ？憂い？とも違う郷愁の気持ちが湧いてきました。

日常を切り取った詩の表現として、心地よいリズムで言葉が並んでいます。 私が興味深いと感じた点はタイトルの魅力です。 「菊」が「聞く」、「枯らす」が「カラス」など、言葉遊びですかね……続きを読む

心が痛い物語でした。 子育ては、一人の人間を尊重して愛しみ、成長を見守ること……そのように思いますが、現実は上手くいかないことも多い。 この物語のキーワードである5文字の言葉は、主…続きを読む

心温まるお話でした^ ^ 大人が当たり前と思っていても、子どもには理解できないこと。特に死生観は難しいと思います。 物語が進むに連れて、少し成長できた男の子のことを応援したくなりま…続きを読む

妊娠と呪いをテーマにした作品。可愛いはずの赤ちゃんの泣き声が不気味です。 産婦人科での流れや、田舎の風習的な雰囲気とか、すごくスムーズに文章化されていてとても読みやすいですね。 内…続きを読む

まず、圧倒的な文章力です。それがぶれることなく一貫していて素晴らしい。 豪華な妖怪のオンパレードで、どの妖怪も艶のある魅力を持っています。 恋愛模様の描写も、世界観に合った粋な表現…続きを読む

250字という制約の中のワンシーンは、まるで不可思議な夢のような魅力があります。
眠る前に見ていたら、わけがわからなくなる…。

無駄な文章はいらないなーー。そう再確認させてくれるスタイリッシュで美しい作品だと思います。