紺藤 香純

　武蔵野には夢が住んでいる。 　他の土地がどうかは知らないが、少なくともこの武蔵野には夢追人がたくさんいるからだ。 　そのうちのいくつかの夢は叶うだろうし、そのうちのいくつ…

三題噺です。

あらすじ：美樹の野辺送りの道中で、哲夫はこの町で独り暮らしを始めた最初の一日を回想する。その日、何かに導かれるように市内の禅寺を訪れた哲夫は、アカマツの林の中でエメラルドグリーン…

2021年9月13日に内容を大幅に改訂しました。

おれは、ひとり曠野に立ち、月を見ている。 どれぐらい時間が経ったのだろうか。親しかった者の顔が、浮かんでは消える。 夜の間だけ、おれは気ままに動ける。 そんな今の姿を、おれはけっ…

２０７１年秋、老婦人は孫に会うため、豊かな農地の広がる所沢桜町へ初めてやって来た。そこにそびえる巨大な岩を見て驚く・・・所沢桜町のホームドラマ。 　　　　　　　　　　　

　手の届かないところから、わたしの先輩は気まぐれに本を与え、気まぐれに言葉のナイフを振り上げる。 　ジョバンニは、カムパネルラを恨んでいるに決まっている。手の届かない場所に行…

母や家族に置いていかれた、火を嫌う雪女の娘と、迷い込んだ女の子の、御伽噺の続き。 ※本文は青空文庫「雪女」（田部隆次訳）から引用しました。 https://www.aozor…

武蔵野台地での時代の変遷。

武蔵野には「宮様」と呼ばれる名前さえ失った神様がいた。 彼女が見た武蔵野の歩みを、そしてこれからの武蔵野を共に見よう。

都心に住んでいたユウキ、小六は、不登校になってしまったため、武蔵野の森が残る地の小学校に転校してきた。ユウキがそこで出会った物は、カラス天狗の子供、てんてん、河童の萬ちゃん、日照…

散歩の帰りに入ったカフェで流れてきた音楽、そして初夏という季節。そんなシチュエーションが明子に、彼氏の智昭とのある初夏の想い出を蘇らせる。 その想い出はブルーノートとゲーム音楽、…

瑞香は、本好きの夫の額に手を伸ばした

学校からの帰り道。 誰もいないのに、後ろから音がする――。 「５分で読書」短編小説コンテスト テーマ「通学路、振り返るとそこにいる（ホラー）」　応募作品

上京して就職した私。 地元とは少し違う環境にまだ慣れていない。 ある日、気持ちの良い朝を迎えるけれど…。

就職を機に上京した私のもとに、三年振りに彼からメッセージがきた。 彼とは、恋人とも友人ともいえない関係だった。 それぞれの想いが重なり合い、小さな希望が灯る時、 過去を悔やみ、傷…

大学生の涼介は、たった数年の間に両親と姉を失う。 しかし、墓参りに向かった先には「あの男」が立っていた。

3年前に死んだ主人公「以下、悟」の幼馴染ユキ。 想いを伝えることが出来ず中学を卒業すると目の前に突然ユキが現れた。 ··········高校生になりはじめてのクリスマス3日前。 …

慶応四年春。 天下に鳴り響いた新選組は捲土重来を期して江戸に戻ったところに、中山道を進む新政府軍を迎え撃つよう命ぜられます。 新規徴募の兵を加えた甲陽鎮撫隊の先頭を行く歳三の前に…

　ある日、武蔵野線を使う遠い場所へ転勤が決まった「私」。 　普段なら帰りがけに途中下車して、名所や名物を楽しむのだが、遠距離通勤による時間の関係と緊急事態事態宣言による移動を控え…

かつて武蔵野はフロンティアであった。 やがて広がり続けた都市に呑み込まれた武蔵野は、いま再びフロンティアになろうとしている。 地名から歴史の変遷といまを追うエッセイ。

残暑の候。 ※「同題異話・八月号　　夏が燻る」参加作品です。（https://kakuyomu.jp/user_events/16816700426355078612）

ドイツ留学中の菅野祐輔は、武蔵野市で開催されるオルガンの国際コンクールに参加するため、一時帰国した。その時彼の心に咲いた小さな花。それは、教会で見かけた少女への、初々しい恋心だっ…

とある男が、子供の頃に遊んだ地元の「南沢湧水群」を訪れて、趣味としているサンドアートのネタを拾うお話です。 『第2回　武蔵野文学賞』で、読者賞をいただきました☆ ありがとうござ…

当日にデートをキャンセルされた橋口君。彼は代わりにと私をイタリア料理に誘ってきた。

　小学六年生の唯月巴。彼は公園でだいだらぼっちを名乗るおじさんに話しかけられる。小六の夏休み、僕は超常存在の最後の挑戦を見届けることとなる。

武蔵野文学賞への投稿作です。短編集にある武蔵野の随筆『ある雑木林の現在』もよければどうぞ。 10月9日に星月夜についての文章を書き足しました。以前より分かりやすくなったと思いま…

俺にはいくつかコンプレックスがあった。 　身長が低いとか、足が遅いとか、特技がないとか。 　でも、そんな中でも一番コンプレックスだったのが、『やりたいことが見つからない』とい…

中学三年生の夏休み、私の自由研究の課題は武蔵野の歴史。私は同級生のケイ君、元大学教授の老人と共に武蔵野の林野を巡り歩き、縄文時代に迷い込んでしまった。

　物語未満のワンカットイメージ。同題異話編。 　夢月七海さんの自主企画『同題異話・八月号　　夏が燻る』に参加させていただきました。 https://kakuyomu.jp/u…

是非 読んで 見て下さい🙃

あるきっかけで始まった僕と彼女の武蔵野論争。 意味のない議論と、意味のない怒りが僕たちを武蔵野探しへと駆り立てる――― 第2回角川武蔵野文学賞応募作品。

玉響《たまゆら》……ほんのわずかの時間 仕事も何もかも失った俺は、公園の池のほとりにいた。 気力なく、池の水面を見つめていると、美しい白昼夢に迷いこむ。 夢に現れた不思議な美…

【5分で読書短編小説コンテスト「想いが通じる5分前」参加作品】 色恋沙汰で転勤してきた彩子先生が好きで好きでたまらない高橋先生。 先生たちも恋をするのです。 少し朝読寄りの内容…

ピアニストを目指す高校生の響子と、菓子職人を目指す専門学校生の匠。 幼なじみの二人は、兄妹同然の仲良し。 その関係が、変わるかもしれない、そんな夜。 匠響子シリーズ、時間軸とし…

　ゆあんさんの自主企画「筆致は物語を超えるか」に参加している作品です。 　同じストーリーを基にして、参加者が思い思いの作品を書く企画。よろしければお読みください。

【あらすじ】 時は平安、坂東（ばんどう）――武蔵野がまだ未開の荒野であった時代、二人の兵（つわもの）がいた。 一人は、源宛（みなもとのあつる）。 一人は、平良文（たいらのよしふみ…

夢月七海様の同題異話・八月号　　夏が燻るに参加させていただきました。 夏が燻るをテーマに小説を書きます。 企画URL https://kakuyomu.jp/user_even…

実家の食堂の閉店危機を回避するため、新機軸の武蔵野名物うどんの試作を続ける大学生小原鈴菜と幼なじみの芦辺穂香。 二人はよい案を授けてもらおうと古くから地元で尊ばれている荒神さんに…

角川武蔵野文学賞出品作品

　峯岸浩太郎はアメリカの研究所で働くウイルス学者のエキスパート。 しかし、私生活の方は奥手、推しロスが続くとなんだか冴えない。 　黙々とアメリカに生息する十七年セミの標本を作る…

　田舎の村で暮らす「俺」の平凡な日々は、一人の少年と死と、突然現れた葬儀屋の男によって、揺らぎ始める。 　私自身が主催している自主企画「同題異話・八月号　　夏が燻る」の参加作品…

その夏、富美加は燻りながら毎日を過ごしていた。ある日、昔の祖母を知る人物が現れて…… 夢月七海様の自主企画、「同題異話・８月　夏が燻る」参加作品です。四章完結

三度目の正直 vs. 三分の一の不幸 夢月七海様の自主企画: 参加用作品です。

自主企画『同題異話・八月号　夏が燻る』に参加させていただきます。 読み始めて30秒で終わる俺の夏。 ※主人公の呆然とした気持ちを強調する為、また読者さんの想像を掻き立てる為の…

600字縛りに勝手にしている同題異話！8月号、5話完結！夏のあるある言いたい←

『同題異話・八月号　　夏が燻る』によせて書きました。現代ファンタジーとホラーで迷いましたが、ギリギリ怪談かな？と思ってホラーにしました。

　双子の姉を喪った友人の舞と、一緒に墓参りに来た明菜たち。 　憔悴しきった一年前と違ってすっかり元気を取り戻した舞に安堵を覚える一方で、素直に喜べない自分がいた。 　夏空の下で自…

同題異話8月号参加作です。よろしくお願いします。