概要
武蔵野のぬくもりたっぷりのおうどんさんは、荒神さんからの贈りもの
実家の食堂の閉店危機を回避するため、新機軸の武蔵野名物うどんの試作を続ける大学生小原鈴菜と幼なじみの芦辺穂香。
二人はよい案を授けてもらおうと古くから地元で尊ばれている荒神さんに願掛けに出かけた。
荒神さんが出雲参りに出かける前にこの願いなんとしても届いて欲しいと、伝承通りに地粉の手打ちうどんを御供物に用意した。
さて、御供物が効いたのか、荒神さんのお使いと思しき青年が試作の手助けになるものを持って現れた。
鈴菜と穂香は荒神さんからのいただきものを使って新作メニュー作りに新たな意欲を燃やすのだった。
本作品と同じ武蔵野の一角萱原キャンパスタウンを舞台にした第1回角川武蔵野文学賞最終選考対象作品『ヤマ野辺の待ち人』もよろしかったら併せてお楽しみください。
二人はよい案を授けてもらおうと古くから地元で尊ばれている荒神さんに願掛けに出かけた。
荒神さんが出雲参りに出かける前にこの願いなんとしても届いて欲しいと、伝承通りに地粉の手打ちうどんを御供物に用意した。
さて、御供物が効いたのか、荒神さんのお使いと思しき青年が試作の手助けになるものを持って現れた。
鈴菜と穂香は荒神さんからのいただきものを使って新作メニュー作りに新たな意欲を燃やすのだった。
本作品と同じ武蔵野の一角萱原キャンパスタウンを舞台にした第1回角川武蔵野文学賞最終選考対象作品『ヤマ野辺の待ち人』もよろしかったら併せてお楽しみください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!武蔵野版、三方良し!
盛岡じゃじゃめん、稲荷うどん、白石にゅうめん、熊谷うどんに氷見うどん。
吉田うどんに名古屋きしめん、伊勢うどん、かすうどん、讃岐うどんときて博多うどんに五島うどん。
うどんの名所は全国各地にあれど、武蔵野もまたうどんで有名な地域です。
新メニュー開発に店の存続をかけた主人公。
神の思し召しや如何に!?
角のない丸みのある丁寧な文章と、神秘体験をあからさまにではなく、匂わせる程度に感じさせる微妙な表現は、作者の真骨頂ではないでしょうか。
武蔵野という土地の魅力が描かれていて、近江商人の心得ではないですが
「書き手良し、読み手良し、地域良し」
の作品になっていると感じました。
皆さんも…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この新作うどんに、店の行く末がかかっている!
主人公の家は武蔵野にあるうどん屋だ。しかし家の都合で長年続けてきた店は閉店の危機に瀕する。そこで主人公の母は落ち込む主人公に、新しいメニューが成功すれば、店を続けててもいいということにしてくれた。
試食係の友人に主人公は新作を試食してもらうが、何かが足りない。しかし何が足りないのか分からない。そこで主人公は友人と二人で、神社の荒神様に詣でに行く。お参りを済ませ、店に戻るとそこには――。
確かな筆力で描かれる食べ物の描写は、想像しただけでも美味しそうです。
また、武蔵野の食に関する知識もふんだんに描かれ、主人公の新メニューのヒントがさりげなく示され、それらが布石となり、一つの作品とし…続きを読む