概要
もし甲府に急行していたならば、歴史は変わったのかもしれません
慶応四年春。
天下に鳴り響いた新選組は捲土重来を期して江戸に戻ったところに、中山道を進む新政府軍を迎え撃つよう命ぜられます。
新規徴募の兵を加えた甲陽鎮撫隊の先頭を行く歳三の前に広がる懐かしい武蔵野の風景。
その胸に去来するものは……。
折角なので武蔵野文学賞に応募しようと掌編を書きました。
いつもと勝手が違いますが、ご高覧くださいませ。
天下に鳴り響いた新選組は捲土重来を期して江戸に戻ったところに、中山道を進む新政府軍を迎え撃つよう命ぜられます。
新規徴募の兵を加えた甲陽鎮撫隊の先頭を行く歳三の前に広がる懐かしい武蔵野の風景。
その胸に去来するものは……。
折角なので武蔵野文学賞に応募しようと掌編を書きました。
いつもと勝手が違いますが、ご高覧くださいませ。
私へのギフトを検討されていらっしゃる? それだけで、ありがたき幸せです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!圧倒的な筆力と卓越した心理描写で鬼の副長の内面を綴る
まず丁寧な情景描写に圧倒されます。
そして、土方歳三さんの想いが胸を打ちます。
新選組に関しては、あまり詳しくないのですが、そんな私でも、作品内での新選組は、斜陽産業(?)である事はわかります。
あまりにも有名で、歴史的に見て多くの読者は、この後新選組がどういう運命を辿るのかは知っていると思います。
だからこそ、敢えてここの場面を切り取って描写した作者様のチョイスは凄いと思います。
この文字数で、この内容を描けるんですね〜。史実に基づいた小説だから、多くを説明しなくても、読者が勝手に色んな想いを汲み取ってくれる。
この後、新選組が大活躍して、連戦連勝なんて事は、あり得ない訳です…続きを読む - ★★★ Excellent!!!新選組、その残照
新選組といえば、京の壬生に居を構えて、刀を振るって、京の治安を守りつづけたというのが、華として知られています。
しかし――維新回天、大政奉還と、幕府の衰勢に従って、新選組の戦いの舞台も、東へ北へと流れていくことになります。
後世の我々の目から見ると、箱館へと至るその苦闘の軌跡は、あたかも京において旭日昇天のごとき新選組が、落日の侘しさと儚さを感じさせるものがあります。
本作は、その新選組の落日の一幕を描いています。
甲陽鎮撫隊として後に知られるそれは、この後の戊辰戦争の舞台が東北であることから、結果は言うまでもないでしょう。
そういう、暗雲立ち込める新選組――近藤勇と土方歳三が、故郷である…続きを読む