「弔い」を含む小説

　白虎が守る久知国。 　その国の村の外れにあるあばら家にはある親子が住んでいる。 　その親子は白い髪、白い肌、赤い目をしてるため、村人から“白蛇様を殺した”と言われ、暴力を受ける…

宮村夏生は妹の沙耶と心中したが一人生き残った。 悲しみに暮れる夏生の前に空飛ぶ金魚と死んだはずの沙耶が現れる。 沙耶は《金魚屋》という店へ入ったが店内に姿はなく、代わりにミュージ…

時は享保。肥後の大名である剣豪・深山景虎（みやまかげとら）は江戸に参勤し、ある人物と出会う。江戸では不可解な事件が頻発していた。 江戸の処刑は御様御用を生業とする山野家に一任さ…

能「敦盛」では、源平合戦の一ノ谷の戦いで、若干一六歳の敦盛の首を取った熊谷直実がその弔いに蓮生（れんせい、あるいは、れんしょう）法師として一の谷にやってきます。そこで敦盛の亡霊と…

小学六年の夏休みに僕は木崎林檎と出会う。 大人びた彼女は飼っていた熱帯魚が亡くなったので一緒に弔いをした。 美しい容姿をもつ彼女はそれゆえ、同級生から迫害を受けていた。 僕にでき…

ーー死者の弔い方にはその地の特色が強く現れる。 　異世界におけるある山岳民族と一人の流れ者のお話。 　山岳の乾燥した厳しい自然、山脈により隔絶した社会、そして長い歴史が、その…

ロボット創作企画「アームヘッド」参加作品。 みぐだしょ氏『ザ・リベンジ』前半にて描かれた第一次ギガントマキアを舞台にした短編集の改訂版です。 各エピソードは連続していないのでどこ…

　――私は、ここサロニアムの丘の上に立つと、どうしても思い出してしまう。 　もう……よせばいいのに、思い出してしまう。 　思い出したところで、人生は何も変わらないのにな。 　…

お盆の日――八月十五日の念仏の日。それは、喧嘩別れした亡き祖父を弔う大事な日のはずだった。 しかし、心身の不調により夢半ばで立ち止まってしまい、苛立ちに苛立ちを重ねていた紗羅は、…

魔王討伐を成し遂げた勇者一行。 王都に帰還し、平和が訪れると喜ぶ国王と民とは反対に勇者一行に笑顔がない。 そして魔王討伐を祝した祭の三日目に勇者が殺されてしまう。 魔王討伐という…

　戦国の時代を生き抜いた英傑たちが、それぞれの想いを胸に抱いて進んで行く物語です。 　国王である春桜＜シュンオウ＞の死を境に、物語はあるべき方向へと進んで行きます。 　時代劇の…

老元傭兵と現役がたまたま平時に接点を保つ。 最後を看取り、弔い、現役はまた仕事に向かう。

「成仏したいの。そのために弔いの歌を作ってほしい」 俺はしがないインディーズバンド所属の冴えないギタリスト。ある日部屋に俺のファンだという女の子……の幽霊が現れて、彼女のためのオ…

水に潜ることが好きな私は、キャンプを抜け出して夜の皆摸川に潜る。すると川底から自分のお葬式の声が聞こえてきて、私は一つの真実を目の当たりにする。

西暦1900年代初頭、世界各地で戦火が燃え広がり世界中が悲嘆と憎悪の断末魔で満たされ、限りない狂気と破壊の衝動が世界を駆け巡る頃、『それ』は現れた。 遥か宇宙より現れた『それ』…

かつてその村では、死者が出ると村人達に役割が与えられ、村全体で葬儀を行うことになっていた。死者を駒鳥と呼び、童謡を奉唱して葬送する。そんなしきたりも年々廃れ、今や一人の村人だけが…