「沈黙」を含む小説

大逆の罪を着せられた史官の李浩文。彼は一切申し開きをせず、ただ処罰を待っていた。 皇帝直属の特務機関である仁武司から来た青年は、浩文の犯した罪を精査するために彼の元を訪れる。特…

　私は何処（どこ）にでもいる暗殺者、そう思ってもらえば結構だ。現在、中学二年生の女子である。 　六月に転校してきたばかりの私は、クラスメイトの女子に声を掛けた。「ねぇ、あんたさ。…

国政に影から関与してきた女系の異能者一族である玖珂家の跡取り娘の迩千花は、直系唯一の女子でありながら日々親や一族、使用人からすら蔑まれ虐げられてきた。 理由は、迩千花が三年前の祭…

おばあちゃんから聞かされた昔の話。 それは、とある小さな町の悲しい話だった。 この町を飲み込んだのは恐ろしい疫病か、 大洪水か、それとも。

『お前は何ができる？』 　男性――【沈黙】サイレンが私に問う。筆談で、だ。 『ここは戦場。役立たずを養う余裕はない』 　これほどロマンチックさを欠いた初夜もないだろう――。 　…

　家族の都合で、幼なじみの親友と離れ東京から九州の祖母の家に引っ越すことになった。 　ばあちゃんは笑顔で俺たち家族を出迎えてくれた。美味しいご飯を食べ、近くの銭湯で身体を清め…

とあるホテルで殺人事件が発生する。 部屋には脳天に銃弾を食らった男女の死体と、生き残った少女。そして少女に迫る正体不明の男がひとり。 両親を失った少女はショックによって声を失い、…

2月。北海道旭川市のとある公園で凍った少女の遺体が発見される。同じ頃、動画サイト上に「旭川で発生したいじめ事件」の動画がリークされていた。動画には、鈴花に対して卑猥な行為を要求し…

生きることに疲れた主人公、暗闇だった心に少しずつ光が差込みます。ブラック企業に勤める主人公は、ある日森の中にある屋敷で自殺を図った。しかしそこに、突然男性が現れそれを止めようとす…

今は元気に体を動かせないが、せめて見える色彩には敏感でありたい。 第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト　短歌二十首連作部門　応募作

　街の図書館に本を探しに来た少年と、寡黙で美しい司書のお話です。

特殊詐欺犯罪に加担し、有罪となった未成年者達。彼ら彼女らを矯正するという目標を掲げ、国の肝いりで始められたのが獨交学園である。しかし国の方針が変わり、学校の目標・目的も一変させら…

※2023年5月の作品です。 読んでいただけると幸いです。 いいね、スキ、フォロー、シェア、コメント、サポート、支援などしていただけるととても嬉しいです。 これからも応援よろし…

こちらは児童向け恋愛小説（溺愛）応募作品となっております。 全7話完結しました。 ※短編版あらすじ 白桜陽向葵《はくおうひなた》は１４歳の中学生。 幼い頃から芸能活動に勤しむ…

語り得ぬものについては、沈黙しなければならない。──ウィトゲンシュタイン

大学のサークルの先輩と仲良くなった朋美。あることをきっかけに、先輩は毎晩2時間近い電話をかけてくるようになった。一方的に話したかと思うと、突然訪れる長い沈黙。徐々に憔悴した朋美に…

夏休み。小学校という名の社会の檻から束の間の間とはいえ解放された彼女はプールへ行くことへ。 さほど乗り気ではない眼鏡の友人も誘ってプールへと行ったのだが、 そこで顔をロッカーに突…

杏奈は殺人事件のあとはじめてダブルベッドで寝たが、もちろん眠れるはずもなかった。 真夜中をすぎても、暗闇の中でますます目がさえて、窓の外の通行人の足音や遠くの車のタイヤのきしむ音…

　――やっぱり付き合わない？ 　彼の顔は、傘で見えない。けれど雨粒の滴る傘の下から覗いたスニーカーが、ざり、と地面を撫でたのは見えた。 　自分でも、あまりにも都合が良いことを言…