「奇」を含む小説

「 肝心要の最後の何行かが抜けている 世の中の不思議な話なんてだいたいそんなものさ 」 男はそう言った。

森の奥の時計草の館に住む美しい白い吸血鬼に、失語症を患う私は出会い、恋をした。でも彼は、永遠に届かない愛しい女性の面影を追い続けている。お願い、私を愛して。私の血を吸って。

ロボット工学の権威 道ノ端教授の取材に訪れたオカルト雑誌百目奇譚の鎌チョと海乃が目にした物とは。

人には突如として何かに挟まれたくなる日がある。 挟むより挟まれたい。愛されるより挟まれたい。 そんなある男の「挟まれ願望」から生まれた至高の発明品こそが、かの有名な……。 ※こ…

天孫降臨　神々と人の区別がつかぬ頃に、地に降りた者に贈られた三種の神器。 時のミカドが持つと言う至極の宝は、時すぎて各々その所在を不明とする。 八咫鏡は、巡りて一人の男の手に堕ち…

今年も、ストレスチェックという面倒な資料を提出する時期がやってきた。 最近は動画で実況したりするのが流行っているし、どうせなら実況形式で小説を書こう・・・ そう考えて、ストレスチ…

渋谷のデンジャークイーン三刀小夜の前に現れた少女鳥迫真月。「 私の前で困らないで 」真月の言葉に小夜の心はかき乱される。 すべてに繋がる始まりと喪失の物語。

大切な人と離れる怖さを知った青年「ヒト探し」。そんな彼の元には自然と奇縁と奇運が集まる。探すヒトは彼を求める。

ジャーナリスト志望の高校三年生海乃大洋はひょんな事からオカルト雑誌百目奇譚でアルバイトする事になる。 そこから始まる青臭い初恋と生臭い河童奇譚。

この世界には、多種多様な生物が生息している。 その中には限られた一部の場所にのみ生息し、そこに暮らす人々の生活に影響を与えてしまうような、摩訶不思議な生態を持つ動植物も決して少な…

先輩と私の非現実的奇譚。 「ある館に集められた人々による脱出劇、とでも言おうか」 男は歌うように言った。

自主企画「プームビット」の為の書き下ろしエッセイです。自作品「身体はアジアの旅の空、心は実家の部屋の中」を紹介するエッセイになっています。本編ではありません。(※プームビットの詳…

主人公「シュグレト・ミュリノン・ゼトングス」は、なぜ自分が存在するのか疑問に思った。 そして彼女は故郷を離れ世界を旅することに決めたのだった。 彼女の「存在」は果たして、ここにあ…

２５歳で東南アジアをバックパックした時の日記を片手に綴るエッセイ。タイ、ミャンマー、インド、カンボジア。四カ国で二ヶ月を過ごした日々。トラブル体質の僕がアジアの片隅でホームシック…

　「事実は小説よりも奇なり」とは、よく言ったものだと思う。 　現実は英雄譚のように華々しく美しい物ではないし。 　吟遊詩人の語る冒険譚のように波乱に満ち溢れた胸踊るような物でも…

不思議な力を持つ女性ミサのエピソード集です。彼女は少女のようでもあり、大人の女性のようでもある。その容姿は見る者の心によってさまざまに変化する。『黒き望みをかなえる者。悲しき想い…

街角にひっそり佇む【繋探偵社】。 そこは、あの世からもこの世からも依頼を受け付ける、摩訶不思議な探偵社。 これは、日常に潜む怪異を相手取る、日常に紛れる探偵達の物語。 ※本…

暇な大学生・田村くんは、ある山にあるバス停で日付をまたぐと、鬼の隠れ里へ連れていかれるという都市伝説を耳にした。 面白半分でそのバス停に出かけた田村くんは、鬼ではなく奇妙でうる…

至って普通の学生だったトモキは、ある日、《メルヘニ》と呼ばれる本の悪魔に襲われていたところを、一人の少女に助けられる。各地をさすらう彼女が、去り際にトモキに渡した住所は、《メルヘ…

　死神ヒュプノスのティコは全ての任を終え、死を迎えるのみだった。 　しかし『休暇を消化しなければ他の死神に示しがつかない』とホムンクルスのパンドラに極東の南端の島へ送られる。 　…