概要
面白半分でそのバス停に出かけた田村くんは、鬼ではなく奇妙でうるさい女の子達に出会う。
はたして都市伝説は噂であったか……と気をぬいていてしまったがために、雲海に泳ぐクジラを捕まえるという危険な仕事に巻き込まれることになるのだった。
※実在する都道府県を連想するような箇所がありますが、当たり前ですがお話です。フィクションです。
登場人物の出身地コンプレックスも誇張して描いておりますが、あくまでキャラづけの一貫であることを留意していただきたいと思います。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!月明かりに照らされた雲海と、にぎやかな鬼娘たち
私は譚という言葉が好きなんです。
おはなしです。物語です。そして奇妙で奇怪で奇異なおはなしと書いて、奇譚。
平々凡々で物事をあまり深く考えていないけど、SNSでなにか大きな話題をさらいたい、ダメな方の現代っ子・田村くん。彼が体験する、一夜の奇妙で奇怪な奇異に満ちたおはなし。
霧深い夜のバス停で出会った、風変わりで方言がかわいい女子高生四人組。
月光の照らす霧の雲海を行く船と、自在に泳ぎ回るこの世のものではない生き物たち。
不可思議な存在、雲鯨。
地方色豊かな人物や土地を交えとある鬼の伝説を下敷きに、カクヨムの奇才・ピクルズジンジャー氏が物語る、まこと奇天烈な出来事。
名付けて雲…続きを読む - ★★★ Excellent!!!異界への軽やかな跳躍
自分で和風ファンタジーを書こうとするとどうにも堅苦しくなってしまうので、こうした軽妙さの中に確かな素養を滲ませる作品を拝読するととても羨ましくなります。手触りはふわふわと柔らかですが、どうにもそれだけではない。堅牢な骨組みを悟らせない技巧的な筆致の成せる業ではないかと想像します。軽々とした夢想ならば自由に飛べる、というわけではないことを、僕は嫌と言うほど知っています。
現実をいかに踏み越えて異界へと赴くか――これはファンタジーの書き手にとっては永遠の課題だと思いますが、この作品の見せる跳躍はあまりにも見事です。ごく自然に、それでいて遠くまで、すっと運び去られる感覚。ファンタジーを読む喜びを…続きを読む - ★★★ Excellent!!!情景から次第に浮かぶ、 バス停の存在。
語りだしから、
本当にありそうな雰囲気が漂い・・*
恐ろしい気配が伝わります・・*
噂からの始まり、バス亭・・*
好奇心から立てた無謀な計画に。
友人とのやり取り。
SNSの拡散から、
高まる期待やわくわく感と、
待ち受ける、不気味な気配に*
ドキドキが増してゆきます。
大学の友人との会話、
情景から次第に浮かぶ、
バス停の存在。
明るい会話に、肝試しの気持ちが募る、
主人公の気持ちが伝わってきます*
出会う女の子たちの個性的な様子*
この世の物でないとしても、
近所にいるような女子高生のノリが
明るくて驚きます*
不気味な怖さと、存在感ある女の子たち*
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