「届かない」を含む小説

イライザ帝国の侯爵令嬢、レティシアは夜会で、今回も皇太子から婚約破棄を告げられていた。｢私はあなたを愛せない｣そう言われて。 帰りの馬車で現れた黒いローブの男に毎回殺され、そして…

私が今まで感じたことを短編でエッセイに近い感じで書き綴っていきます。 フィクションも入っていますので広い心で読んでいただけると嬉しいです。

個人が簡単にインターネットでショップをオープンできる時代。 イラストやハンドメイドのアクセサリーなど、自分の好きな値段で好きなように販売できる。 今回はそんなネットショップに関す…

俺はポルを親友だと思っていた。けれど、ポルにとってはそうではなかったのかも知れない。 星間の往来が可能になった未来のこと。星間運輸会社で働くダイチは仕事先の星で、十年前に行方不明…

八月一日から八月三十一日まで毎年海岸にやってくる人魚の女の子とのひと夏の物語です。 ※夏休み短篇小説大賞2024参加作品です

綿原美織は幼いころから歌手になることを夢みて努力を重ねてきた。 今日はついにその夢の第一歩を踏み出す大事な日。 当の美織はいつもと変わらず飄々と過ごしている。 その横で美織より緊…

　その競走馬は目立った実績があるわけではない。 　それでも彼女の走りに、目を奪われた。 　牝馬（ひんば）の中でも400kgに届かない小柄な身体。 　前に付けたら、他馬にぶつけられ…

あたしは日鞠の親友で。これ以上何も望むことはないはずのに。──それなら、この昏い敗北感は、花嫁姿の日鞠を見たときの胸の高鳴りは、いったい何なの。そうやって答えを出せずにいるうちに…

冷蔵庫の中で長い時間を過ごしていた卵は、ある日オムライスになった。お母さんは、あの子への〝愛のかけら〟をオムライスに込めてくれたが、届け方が悪かった。オムライスはあの子のお腹には…

あるところに、姉妹がいました。 妹は、幼馴染の君のものを欲しがり続けて――亡くなりました。 やがて、年月は過ぎ。 姉と君は付き合いはじめて……。 そんな夏祭り、灯りの届かない一…

俺と先輩。 二人だけの野球部に最後の夏が迫る。 憧れたあの聖地にたどり着けるのは、ほんの一握りの人間だけ。 そこに向かってひたむきに白球を追いかけても、この手はきっと届かない。…

十永学園に通う2年生、北方大司(きたかた　大司) 一見、能力に突出したものはないラブコメが大好きな高校生。 ラブコメは好きだが、現実は違う。 幼馴染 許嫁 ライバル ラブコメ…

　物語の英雄に憧れ、現実の英雄に絶望した。されど彼は英雄であることを望む。ごく普通の平凡な少年。彼は幼い頃より、漠然と英雄に憧れを抱いていた。そして、とある少女との約束をきっかけ…

　『私、貴方どう思ってるんだろう』硝子を挟んだ貴方と私。私は貴方の思いはわからない。 　身勝手って思う？でもね、どうせ私はそんなもの。きっとそうだ。

地球温暖化どころか地球沸騰化が進んでいる。身近なところで気温の上昇 を検証するとともに、若き環境活動家グレタさんの叫びがなぜ届かなかったのか考えてみた。

底も知れず、光も届かず。 深い夜の間だけ、この世に穿たれる大穴がある。 そこに入れられたものは須く、世界からその存在を完全に消し去られる、理外の洞。 西東京のある山にひっそりと…

奴隷であるギャナイは人魚姫の世話を任された。 何も分からぬまま彼女の世話をするうち、ギャナイと人魚姫の距離は縮まり、彼女はギャナイの子を宿した。 そうしてギャナイは立ち上がる。 …

ひ弱そうな君。 そんな君といるのが当たり前だった。 君がいないとなにかが物足りなくて、淋しいと思った。 アイツは言った。 祈ればいい。彼女を信じて。 だから信じる。 でも君は俺の…

その世界では一生に一度、最も多感な時間に人格が混在する。 新しい人格は情愛が足りぬまま大人になり、古い人格は子供のまま上書きされ、消える。 つまり、人は二度死ぬ。 ちっとも痛く…