「ありふれた 何でも」を含む小説

普段の生活の中にあることをお題に、ツイッターで書いた140字小説のまとめになります。 少しでも何か感じてもらえたら幸いです。

白夜……それはいつまでも夜の訪れない、白く輝く日々のこと。 僕がいて彼女がいた。 恋をした。恋に焦がれた。それだけでよかった。 だけどいつからだろう。 少しずつ、少しずつ。 僕ら…

まだ二人が幼かった頃、東雲紫乃は何も言わずに麻倉朝陽の前から姿を消した。そしてあの日から十年後、再び成長した姿で彼女は彼の前に現れる。紫乃は、幼い頃に交わした約束を守りに来たとい…

私の犬が死んだ。 他人の犬が死んだ話なぞ、さして面白くもないありふれた話題であろう。 泣くために絶妙のさじ加減で調整された話なら他にいくらでもある。 淡々とした事実の記録故に盛り…

　ある戦場で、残された魔物の死体にナイフをつきたてる男の姿があった。 　男は勇者へ近づく詐術のために命を冒涜しようとしていた。 　そこは灰色の中世欧州と酷似しながら、いまだ魔の…

やあ。こんばんは。ファンタジー溢れる異世界冒険譚や甘酸っぱいボーイミーツガールや日常に潜む非日常を期待して来てくれた方には悪いけれど、ここはそういう空想世界への窓なんかじゃあない…

田舎の自動車販売店に就職する事になった私。 友人と共に入居した一軒家。 何の変哲もない家で、何事もなく過ぎていく日常。 そんなある日の時季外れの嵐の夜、生まれて初めて感じる「不気…

どうでもいいなと息を吐く。 喩え目の前で何が起きようが、きっとそれはおれには関係ない。 俺と世界の間には二次元とよりも随分ぶ厚い、硝子の壁があるのだ。 何故ならおれは傍観者。世界…

ここはなんてことのない世界。 ありふれている。 僕の名前はコウ。 毎日変わらない日常、気づけばもう僕は29歳だ。 仕事もしていない。 正確にはちょっとだけ在宅で仕事をし…

「人なんてものは結局みんな皮を被ってるだけの獣だ」 そんな世界のとある嵐の夜に黒ヤギの家にやってきたのは昔愛したオオカミ。 そしてオオカミは黒ヤギに自分の子供を預かって欲しいと頼…

2008年から2011年までに執筆した創作短編小説をオムニバスでまとめました。 1. Mirror　・・過去のトラウマに囚われる男女のやりとり 2. 電車にまつわるいくつかの雑…

上京大学社会科学部 そんな京都の中堅大学に、僕が所属している「内野ゼミ」はある。 これは僕と個性的なゼミメンバーとのありふれているけど、少し異常な日常の物語

高校生である東雲雪人は、幼馴染み以上夫婦未満の関係である高柳亜希子らと共に、ありふれて、よくあるながらも取り返しの付かない青春の日々を送っていた。 しかし、そんな平凡でささやか…

二人が出会って恋をして 結婚して夫婦になりました。 特別な日。 特別なことが何もない日。 何年経っても変わらない想い。 積み重ねた時間の分だけ 考え方も似てくるみた…

東京都内で桜の開花した朝、１台の４トントラックが幹線道路で横転する。 事故に巻き込まれたのは、停留所でバスを待っていた５人。 悲劇のあと。 遺された者たちは、癒されることの…

ファッションヘルスで働く柚花のごくありふれた日常。そして思考。特別なことは何もない。日々を生きる姿の一部を切り取った物語。

「何処にも通じていない梯子の先には何があった？」 　自称〝私立探偵〟の冬瀬滴嬢をご紹介します。彼女は天使並みの容貌と一筋縄では行かない性格と言う（残念ながら）少々ありふれた設定の…

昨日と同じ今日、今日と同じ明日。 世界は繰り返し時を刻み、何も変わらない。 癒えたはずの傷の記憶だけが、じくじくと血を流している。 前支部長が裏切り、新任の支部長が赴任したばか…

１９９１年「短い２０世紀」の最後の年が暮れようとしていた。仮想世界ハビタットで繰り広げられるありふれた日常。ある日の真夜中、静かな湖畔を血に染めた最初の猟奇殺人事件。続いて日本列…

ある出版社で傷害事件が発生した。原因は社員同士のトラブル、加害者はその場で逮捕。テレビのニュースを見た「私」は、その会社が昔勤めていた所で、犯人が昔の先輩だと気付いた。 「一体何…