まよなかのなか

クロタ

第1話 漫然

 特に目的もなく起き永らえてしまった夜の、なんと虚しい事かと、いつも寝る間際になって気づいてしまう。

 もうこんな時間で、明日も朝早くから家を出て、為すべき事を為す必要があるはずなのに、僕はどうしてこうやって呑気に文字を連ねているのだろう。どうしてなにもせずに、無駄な時間を過ごしてしまうのだろうか。

 今日だって、僕が為した事なんて殆ど何も無い。せっかくの休日を無為にする事を恐れて、結局、自分に有益な事にすら手をつけないでいたままだった。

 いや、もう、よそう。考えるだけ時間の無駄だ。

 今僕に唯一できる悪あがき。今日という一日に手向けるせめてものささやかな罪滅ぼしに、時間を有効活用しなければ。

 眠ることが、今の僕にできる、僕にしかできない、有益な事。

 おやすみなさい。から、僕の一日は始まる。

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まよなかのなか クロタ @kurotaline

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