Not only Bourgeoisie But also Fantasy!

青年は悩んでいた。大学受験を終えてそれなりの知識と教養、そして論理的思考を得たと思うが、心の底の悶々とした何かがずっと自分を苦しめていた。だが、結局その悩みは解決することなく若くして死んでしまう。それが幸だったのか不幸だったのか、定かではないと思いつつも青年は二度目の生を肯定しようと決心する。しかし、その世界は剣と魔法が存在し以前の現実とはかけ離れていた。しかもありふれた中世モノの世界ではなく、むしろ近世になりつつある人間としての生が重視される世界であった。青年は生に安住する。家族に触れ、優しさを知ってその思いはよりいっそう強くなった。
そして日々、自分の魔法の才を高め、それがいつか役に立つことを願って自分を誡め続ける。ーーーこれは後々に魔王として、完璧な人間として、そして絶大な力と賢明な知…続きを読む