「腕だけ」を含む小説

料亭「桜屋」 浅草は言問橋のたもとに店を構えるこの料亭 江戸に知らぬ者なしと讃えられる名店である。 そんな名店で椀方を務める俊英、孝介。 異例の出世が物語る確かな腕の持ち主であ…

勇者のパーティーの一員であった魔術師のリーシャ。 彼女は眼を覚ますと、かつて敵であった男・シンの腕の中にいた。 掻き抱くようにあたたかい腕の中に閉じ込められながら、不思議に思う。…

舞台は静岡県の地方都市に本拠をおくプロ野球チーム。 南洋ホワイトベアーズのベテラン捕手、大沢秋時は契約更改の席で久住ＧＭから突然の戦力外通告を受ける。同時にドラフト１位で獲得した…

ときを止めたい少年は、時計を冷凍庫に入れた。 母は「時間は凍らないのよ」と言った。 それまでにもいろいろ試したけれど、時間を止めることは叶わなかった。

一日で最もイライラする時間帯、電車内で遅刻が確定した。 「くそ、また人身事故かよ」 社会人の隼和樹（ハヤブサカズキ）は悪態をついて、腕時計を弄って現実逃避をする。そして不貞腐れて…

なれない仕事に疲れ果て、唯一楽しかった中学生時代に住んでいた街へ単身帰った灯里(あかり)。 出迎えてくれたのは仲良しだった一人、甲斐(かい)。 変わらないものはない。 優しさは変…

東洋医学は疾患前。西洋医学は疾患後。 　海を挟んだ2つの医学の違いは、その治し方にある。 　例えば何かの拍子に、接合部が緩んで腕が取れてしまったおもちゃがあるとする。 　西洋…

　俺、八朔歩夢（はっさくあゆむ）には幼い頃に結婚の約束を交わした幼馴染がいた。 しかし、約束を交わしてからの四年間、一度も連絡を取らずに気づけば高校一年の秋になっていた。そんなあ…

　好きになったやつはみんな殺してきた。 　恋心とは非常に不本意なもので、私の意思とは関係なく勝手に感情が暴走する。 　最初に好きになったのは、私と同じで流れの傭兵をしている男だっ…

　これは、ぼくが小学校四年生のときに実際に経験した話です。 　学校からの帰り道、ぼくの友人のケンちゃんが見つけました。電柱のかげから伸びる一本の白い腕を……。それがすべての始まり…

キメラを名乗る魔王が二つ目の世界を滅ぼしにいくが、神に介入されて、Sランク冒険者のその先を目指すお話。 キメラは上位竜に大悪魔の手、腕、足 が生えた醜い姿だが、魔法で姿を長髪イケ…

ある日、時を戻せる腕時計を拾った主人公ゆい。自分の都合のいいように時を戻すことを繰り返していた。そんな時に転校生に出会うことで、気持ちに変化が訪れる。その結果、腕時計は……？

そこは湖底のように静まり返った場所だった。彷徨う男が見上げるとそこに穴があった。

いつもと同じ休日を過ごすためにお気に入りのカフェへと向かった杏子は、困った客に絡まれているイケメン店長に突然腕を掴まれる。 彼は言った。「これから彼女と入籍します」と……

これは、軍事力の衝突が完全に商業化した、有り得たかも知れない遠い未来の世界の話。 今日もまた、国際的に公認された戦闘地域の何処かにおいて、国家や企業が出資して即席に生み出された軍…

一人の時間が大好きな阿良田翔は放課後、たまたま警官として巡回していた従兄弟の阿良田龍星と話をしながら帰っていた。そしてたまたま女子高生の腕を掴んで引っ張っていた不良に遭遇し、龍星…

　とある国の、腕利き花火職人が大怪我をしてしまいます。 　彼の前に現れた悪魔は言いました。 「その腕を治してやるよ、かわりに命を半分よこしな」と―――。 ※五分で読める読み切り…

初めて小説を書いたのは七年前の冬になる。高校の文芸部時代、大学の講義やサークル活動を経て腕を磨いてきた。全ては小説家になるために。 七年目の自分にとって、目標までの道のりはまだま…

私はもうすぐ30歳になる。正直焦ってはいたけど、運よく1個下の男性と恋仲となった。昔のように高望みはせず、この人と幸せになるんだと思っていた。 ――明日が来るまでは。

王立学園の卒業パーティーで、突然婚約破棄を宣言されたカルラ。 婚約者の腕にぶらさがっているのは異母妹のルーチェだった。 意気揚々と破棄を告げる婚約者だったが、彼は気付いていな…