「待つ」を含む小説

東京の大学に通う二年生の高梨唯は、バドミントンサークルの合宿に人数合わせとして無理矢理参加させられてしまう。その上会長阿藤の思い付きで、合宿最後の夜に強引に肝試しに連れて出される…

　久しぶりに支店から本社にやってきたサラリーマンの橋立。その日の夜に、同期の飲み会があると聞き、憧れだった同い年の同期との再会を楽しみに待つ。 　しかし、久しぶりに会ったその同期…

しがないウェイトレス・チャコのありふれた特別な日常

企画『誰の御伽話だゲーム』の参加作品です。 大きな戦争が終わった。戦っていた二つの国はひとつになったが、暮らす民は真っ二つに割れている。 優れた身体能力を持つラパン民族と頭脳明…

シルギル大陸でも有数の大都市を有す巨大国家ナシェンウィル中央国の公園に隣接する林で発見された私……。 私は私であるのに私ではなく、私だった。 輝かしき日々をすごした戦国から遠…

サンタクロースの存在を疑っている少年、素直（もとなお）。 彼は、その年、サンタクロースへの手紙に「あなたがいる証拠をください」と書いてツリーの下に置いた。 夜が来て、一階に降りて…

オムニバス異世界転移物語。 17歳の少年、コバヤシケンジは女神の「世界を救ってくれ」という依頼により、想像を絶する異世界へ次々と転移させられ、行く先々でこれまでの価値観を粉々に…

ごく平凡なサラリーマンの和樹。 ある日、人通りの少ない帰り道の歩道で見つけたのは、電柱に貼られた一枚の人捜しの貼り紙。 『この女性を捜しています。』 一枚の貼り紙から明らかに…

魔法はただの道具なのだろうか。 人の本質を映す鏡の向こうに揺らめく、滾る強さを持つ炎。 ただ到来を待つだけの、誰も干渉し得ないはずの未来に傷を付ける氷の刃。 彫像と化した過去を溶…

前作「リュミエンヌ」において古代王朝ゆかりの”復元と再生”の奥義を身に付けた「魔導士」リュミエンヌは１８歳になった。 天賦の才に恵まれた彼女は今や王国お抱えの宮廷魔導士と肩を並べ…

「椿ちゃん、僕と心中してよ」――。 出版社の編集者兼ライターの桐谷椿は、ひょんなことから写真家・夏目翔弥と知り合う。 彼の写真の大ファンだった椿の喜びも束の間、夏目の風景写真は、…

友達のいない私が手に入れた新しい携帯。そこには猫型のAIが、聞こえるものや見えるものをブロックする機能が搭載されていた。私は不快に感じるものを次々にブロックしていく。現実世界をブ…

「これでこの世界ともお別れだな」 抱きしめているスライムの冷たい感触を感じながら静かに最後の時を待つ・・・ －－－だが死なない ステータスを見るとレベルマイナス１？下げ続けたらマ…

ある出来事から人間関係に忌避感を持ち、魔力がないながらも、一人で冒険者を続けることを決意するソル。 一人で冒険者を続けるため、魔法が使えるようになるという魔装具の存在を耳にし、…

　妹には秘密がある。 　どこまでも伸びる首。ろくろっくび。 　秘密を知るのは家族だけ。学校にも行けない妹・陶（すえ）は引きこもりのアニメオタクだ。 　姉の窯香（ようか）は彼女を…

　王宮を守護する騎士団と魔術師団は、とある理由でここ数年いがみ合いを続けていた。 　このままでは内戦になる、と危ぶんだ国王から「どうにかしろ」という命令が下り、騎士団長と魔術師団…

文化祭にて。俺はミスコン一位を取った真白さんにステージ上で公開告白をした。ゴクリと唾を飲みこみ、真白さんの言葉を待つ。 「わ、私は……」 瑞々しい唇から言葉がかすかに漏れ、思…

高校時代の仲間と初日の出を待ちながら、他愛もない会話をするのは、青春です。

新型コロナワクチンの副反応が治まった俺は、夜に一人、コンビニで手にした「赤いきつね」にお湯を注いで待つうちに、爺ちゃんと過ごした年末のことを思い出す。 それは無口な爺ちゃんが精一…

ようこそ、当館へ――。 祭りの喧騒を傍目に、古い洋館にある画廊は観者と共に客の訪れを待つ。 ――新人観者のリクは、副館長のヒカルと共に初仕事に挑もうとしていた。ここで過ごす者に…