「賞」を含む小説

子どもの頃から、私だけに聞こえる声。 その声は、苦しそうにしていたり、嬉しそうにしていたりする。 その声の主が誰なのか、ずっとわからなかった。 だけど、あるとき気付いてしまった。…

半分は外国人、半分は高齢者という巨大団地に引っ越してきたアサギは詐欺師になるべく、団地の子どもたちに偽宝地図を売りつける。小熊のような子ども〝クマ〟に懐かれるが――

★第一回オール書籍化コンテスト特別賞受賞作 夏休みも間近に迫った７月の末、京都の大学に通う大学2年生の主人公(水瀬友一)は、うだるような暑さの中、横断歩道の先で高校時代の元カノ…

近未来のある国。「木の子」「竹の子」というお菓子の好みを巡って、ある日事件が起きる。それをきっかけに、国は内戦へと向かっていったー これはその時代を生きた20代女性（当時）が日記…

暮安陽悟の死刑執行を伝えるニュース速報に筆者は愕然とした。 判決から半年を少し過ぎた頃だった。早すぎる死刑執行に筆者は何か裏があるのではないかと勘ぐってしまう。 暮安は『殺害0の…

佐渡薫は心と体がちぐはぐな男子高校生。 地方のラジオ番組で「かおるこ」というハンドルネームを使って自らを女性だと偽りながらラジオにコメントを残す活動を始める。 ある日、ラジオつな…

「私を！　大図書館に！　入れてください!!」 「無理だっつってんだろ！　あんただいぶしつこいな!?」 ……始まりは最悪だった。少なくとも、一方にとっては。 オロール王国随一の学…

翡翠色の空――、それを作り出した原因を排除するために作られた第三世代新人類のミミ。 首無し鳥を狩り日々を生きていたが、拠点を襲撃され、谷底と呼ばれる旧人類の遺構へ降りることに。 …

夜はいつもじっとしていて、触るとひんやり冷たい。

何世紀にも及ぶ不毛な戦争。 狙撃手である＜俺＞が狙いを定めている、真の＜敵＞の正体とは。

静穏に暮らす遠山技師と、強情っ張りのエムの2人は毎夜、平行線上をめぐる。 そして月と地球がある。 会話記録がモチーフの文芸作品。

人を踏みつけた者には相応の報いを。 伯爵令嬢のアリシアは半年後に結婚する予定だった。 公爵家次男の婚約者、ルーカスと両思いで一緒になれるのを楽しみにしていたのに。 ルーカスに…

主人公の同級生である那津は、とある家に脅迫の紙を貼ったことを打ち明ける。脅迫の紙によりその家の平穏は壊れ、外観を大きく変貌させた。壊してしまった平穏の先、復讐に慄いた那津は謝罪を…

名も無き司書と、名も無き死者の書に纏わる物語。

ドローンの行き交う街でイマジナリーペットボトルロケットを飛ばすパパの話です。

SF短編。 惑星に穿たれた次元坑道から超空間の中へ入り、過去の遺失物を回収する人々のお話。