「なるたけ、やらしい文章をめざしていきます」
そう書かれています。坂水さんの筆力はその実績が物語っています。
磨かれ切った短編。これを他の人がまるごとトレースしようとしても、とても1万文字ではおさまりません。
断言していい。
これはやらしい物語ではありません。
でもエロスは存在します。
SFとされていることを、思いっきり忘れて読んでいきます。いや、これはSFですよ、と書いていることさえネタバレになるかもしれないですけれど、ご本人がSFとされているのでそこはよいということにさせてもらいます。(センチメンタル・ファニーと書かれているのもすてき)
すみません。私はこれをよんで、本当に号泣しました。
嘘偽りなく、泣きました。
なんてやさしい物語なのかと。
騙されたと思ってどうかよんでください!
何度でもよんでください!
あと一日しかありませんが、中間を通ってほしいです。
円城塔賞は、読者票の如何にかかわらず、かもしれませんが、どうかひとりでも多くの方の目に。
推します。