「音 純文学」を含む小説

14歳の莉音(りお)は隣の家に住む男に監禁された。 男の目的とは。莉音の意外な望みとは。そして訪れる予想外の展開。 どんでん返しが好きな方には是非読んでいただきたいです。

赤ペンキをぶちまけたような夕暮れのなかを、一人の男がフラフラと歩いていた。すると突然、後ろから『パン』と拍手のような音が聞こえてきて―― 「青リンゴ、青リンゴです。青リンゴ。道…

寄り添いながらふたりで生きる、しずくとさんご。先に眠ったさんごに取り残されるのを恐れて、しずくはさんごを追いかける。海の底へ潜るダイバーのように。やがてしずくは夢の世界へたどり着…

長年の両片思いを実らせて幸せ一杯の美葉と正人。二人の前に謎の親子が現われる。強く結ばれていたはずの心が揺らぎ、己の性に翻弄されていく。 二人を見守る仲間達もまた、辛い現実と向き合…

ささいなことで夫といさかいになった私は、食器を洗いながら、幼い頃、何度も遭遇した両親のいさかいを思い出す。それは私たちとは全く性質の異なる夫婦喧嘩だった。母は何に対して怒っていた…

ささいなことで夫といさかいになった私は、食器を洗いながら、幼い頃、何度も遭遇した両親のいさかいを思い出す。それは私たちとは全く性質の異なる夫婦喧嘩だった。母は何に対して怒っていた…

不倫なんてまっぴらゴメンだ。今だってそう思っている。 けれども、好きになってしまったのだから仕方がない。 燃えはじめた恋の火を消す方法なんて、ワタシは知らない。障害が大きいほどに…

もし、音とイメージの結びつきが壊れてしまったら……？ ひとはどのように「会話」するのだろうか ４０字×４０行で書くショートショート４３作品目 １００作品まで毎日公開するつもり

部活をして、素敵な恋をして、勉強でも良い点を取って。毎日が充実している。 私――香川蜜音は、そんな高校生活が待っていると信じていた。けれど、実際は何も変わり映えしない退屈な毎日の…

雪が降りしきる中、外に出る気力も湧かず、男は負とにくるまっていた。かさこそと音がする方を見ると、散らかした食べ残しをあさる鼠がいて……。一冬未満の鼠との交流。

友人からは変わり者、変人、変態と陰口をたたかれる吾妻朱音。そんな彼女が、夏休みのある日、奇跡の再会を果たす。……彼は３年前に病院の庭で見かけた男性だった。・・・・・・その日、朱音…

大学に行かなくなった主人公、齋藤は、無気力で怠惰な日々を過ごす中で、孤独と憂鬱に悩まされる。そして、齋藤はバイトの後輩、遠藤綾音にある相談を持ちかけられる。

わたしの耳には、音が溢れて聞こえた。 僕の耳には、音が歪んで聞こえた。 聴覚過敏に悩む高校二年生、山本美月は、雨に濡れる6月のある日、彼に出会った。一心不乱に紫陽花をスケッチす…

子供の中の何かが死んだ日。それは11歳の冬の夜明け前。 生木(なまき)を割る凍裂音が冬の寒冷地の夜明けを震わせる。 あの日、確かに何かが死んだ。 それは再生を見ることなく少年の心…

カクヨムコン8短編賞参加作品 　地下鉄の車内。またあいつがいる。 　僕の頭の中にあのテーマ曲が流れる。おどろおどろしいコントラバスの低い音。でぇーでんっ、でぇーでんっ。 …

あの日、僕は宇宙人に恋をした。 幼稚園児のヴァイオリンの音で思い出される安っぽい僕の初恋。

ネコは生まれながらにして目が見えなかった。ほかの猫たちが、外部の光を感知して脳髄から眼球へとイメージを表現するなか、ネコは光を感知することすらできなかった。ネコは得意なことはたく…

ある日の昼頃、誰かが僕の部屋のドアを叩いた。ちょうどカップラーメンにお湯を入れ、時間が経つのを待っていた時だった。音をきいて、僕はなんとなく嫌な気持ちになった。インターホンがある…

「実は、彼と結婚することにしたんだ」 先輩はわがままだ。先輩はそういう人なのだ――

幼なじみの“佐知哉兄”(さちやにい)は、頭脳明晰でピアノがとても上手い、どこか雲の上の人だった。 彼が外国に行くことになると、佐知哉兄は最後に自分のピアノを聴いて欲しいと私の前…