主人公の見せる青林檎への異常な情愛は狂気を感じさせるもので、終始不気味な雰囲気の漂う素敵な作品でした。 夕日に照らされる街とそこに鳴り響く『ぱん』という柏の音を想像した途端から世界観に引き込まれてしまいます。 主人公の狂気に気が付いたなら、柏の音が反響して聞こえてきて、艶やかな青林檎の輪郭が霞むようで、この狂気はどうも中毒性が高い。 素晴らしい作品をありがとうございます。寝る前の読書には少し重かったかも知れませんが、個人的には大好物です。